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ノンバイナリーがわかる本
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男女二元論にとらわれないジェンダー・アイデンティティ「ノンバイナリー」についての、日本で刊行される初めての概説書。ノンバイナリーである著者自身の経験や調査を基に、関連用語、歴史、心身の健康、人間関係、法律など幅広いトピックをわかりやすく解説。
目次
第1章 ノンバイナリーとジェンダークィアについての
序説
はじめに
私たちのこと(私たちは誰でしょうか?)
私について(私は誰なのでしょうか?)
用語の解説
ジェンダーについて考える
性vsジェンダー
ジェンダーとジェンダー・ヴァリエンスの理論
ノンバイナリーとしての自己表現
ノンバイナリー、ジェンダークィア、「他人化」
人口統計
イギリスとそれ以外の国について
なぜ人口統計情報が重要なのか
エクササイズと話し合いのポイント
第2章 ジェンダーと言語
はじめに
言語におけるジェンダー
名詞クラス
様々な言語のジェンダーの使い方
言語の変化と代名詞
They/them/their
新代名詞
おわりに
エクササイズと話し合いのポイント
第3章 グローバルかつ歴史的な視点
はじめに
ジェンダーと性についての理解の変化
ジェンダークィアの歴史
世界の代替的なジェンダー・カテゴリー
おわりに
エクササイズと話し合いのポイント
第4章 コミュニティ
はじめに
より広いLGBとトランスジェンダーのコミュニティの中でのノンバイナリー
より詳しいアイデンティティのラベル
すべてのノンバイナリーの人はトランスと自認しているのでしょうか?
ノンバイナリーとジェンダークィアの人々、そしてフェミニズムとトランス疎外について
ノンバイナリー・コミュニティにおけるインターセクショナリティ
エクササイズと話し合いのポイント
第5章 社会の中で
はじめに
カミングアウト、移行、シスジェンダーの世界でジェンダークィアとして生きること
パッシング passing
デート、恋愛、セックス
セックスと魅力
ノンバイナリー・コミュニティの中でのセクシュアル・アイデンティティ
職場でのジェンダークィア
学校でのノンバイナリー
あなたへの提案
エクササイズと話し合いのポイント
第6章 メンタルヘルス
はじめに
言葉の定義と頭字語
メンタルヘルスとジェンダーの相互作用
私のメンタルヘルスとジェンダーの体験
ノンバイナリーの人に共通する心の病の経験
過剰診断と精神疾患としてのクィア
違和 dysphoria
マイノリティ・ストレス
結論と提案と資料
関連情報と書籍
エクササイズと話し合いのポイント
第7章 医療
はじめに
用語解説と頭字語
私の体験と私自身について
ノンバイナリーの人すべてが性別適合治療を求めるわけではない
治療への道のり
情報への限られたアクセス
GIC(ジェンダー・アイデンティティ・クリニック)への紹介
GICでの治療
初診予約までの待ち時間と、次の予約までの間
治療の拒否や保留
ノンバイナリーによる自己偽装
性別適合治療の実際
根拠の薄い社会的通念
ノンバイナリーのヘルスケア
結論と提案と資料
個々の専門医への実践的提案
関連情報
エクササイズと話し合いのポイント
第8章 法律
はじめに
法的承認と2004年ジェンダー承認法
法的保護と2010年平等法
ノンバイナリーなジェンダーに関する各国の法律
エクササイズと話し合いのポイント
第9章 将来へ向けて
第10章 参考文献
トランス、ジェンダークィア、ノンバイナリーの人のためのリソース
ノンバイナリーの人々による一般読者向けのリソース
雇用主、サービス提供者、研究者、医師のためのリソース
本書で参考にした文献
註
索引
訳者あとがき
前書きなど
はじめに
本書の目的は、ノンバイナリーと自認する人やジェンダークィアの人――ジェンダー・アイデンティティが、男か女という単純なバイナリー〔二元論〕の枠に収まらない人――についての概念、状況、日常的な苦悩を紹介することです。私たちは大きなトランスジェンダーとLGBTQコミュニティの中に存在する別個の明確な社会集団であり、私たちには独自の脆弱性と特権があります。
ノンバイナリーの人々の認知度は日々増しています。映画、テレビ番組、書籍(もうSF小説だけではありません!)、ニュース、ファッションショー、学校や職場でも見られるようになりました。ジェイデン・スミス、アマンドラ・ステンバーグ、マイリー・サイラスといったセレブリティも、トランスジェンダーや、少なくとも何らかのジェンダー・ノンコンフォーミングであるとカミングアウトしていますし、2016年にはアクティビストのマリア・ムニールが、ロンドンで行われた対話集会の最中にオバマ大統領に向かって、自分はノンバイナリーだと伝えています。
こうして急激に知られるようになったことで、反発も受けるようになりました。ジェンダークィアの人々は、ハラスメントを受けたり、人前で笑われたり、私たちを認めようとしない人や理解しようとしない人から、暴力さえ受けてきました。でも耳を傾けてくれる人たちもいます。私たちのジェンダー・アイデンティティは、不自然なものでも、あり得ないものでもなく、人間を人間たらしめている複雑さの一面にすぎないと理解して受け入れてくれているのです。
これは、そうした人たち――私たちを理解したいけれど、どうしたらいいか方法がわからないという人のための本です。(……)
Kindle→https://amzn.to/3icVhxa
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