は、books.lighthouse@gmail.comまたはお問い合わせにて承りますのでお気軽にどうぞ。
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売上冊数1点につき10円を子どもが本を買うために自由に使える「ちょきん」に充てています。
詳細はABOUTページにて。
紙の本が読みにくい状況にある場合などにご利用ください(現時点ではKindleのみですが)
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THE PINK CLOUD パンフレット本
¥1,200
映画『ピンク・クラウド』1月27日(金)の公開にあわせて、劇場パンフレットが発売となります。作品情報のほか、総勢12名による評論、小説、エッセイ、短歌、詩、ブックガイド、そして対談を収録。 世界的なパンデミックとの偶然の重なりによって自らの体験と切り離しては語れない本作ですが、「あなたにとってのピンクの雲が何かを考えてほしい」というイウリ・ジェルバーゼ監督のメッセージにあるとおり、それぞれの執筆者が思い描いた映画『ピンク・クラウド』を味わうことができる豪華パンフレットになっています。虚実のあわいを漂い、映画世界の広がりを感じてください。 ================ 映画『ピンク・クラウド』劇場用パンフレット B6|フルカラー|P84|税込1,200円 ■目次 イントロダクション ストーリー キャラクター キャスト&監督プロフィール 監督コメント/Q&A 受賞歴 <寄稿> 小説|ラヴィアンローズ 円城塔 評論|分断とディスコミュニケーションの寓話 稲垣貴俊 エッセイ|外に出たすべての女たちへ ひらりさ 小説|桜雪 仲西森奈 詩|みんな家にいる 文月悠光 短歌|泡のなかへ 平岡直子 小説|あかるい終末 オルタナ旧市街 エッセイ|ピンクの雲のせいにする 三好愛 エッセイ|はじまりの色 小沼理 【ブックガイド】岸本佐知子 <出口なし>の世界を味わうための読書案内 【対談】星野概念×雪下まゆ 無人島ではない現実で、ピンクの雲と生きていく ■公式サイト https://senlisfilms.jp/pinkcloud/ ■Twitter https://twitter.com/thepinkcloud_jp ■Instagram https://www.instagram.com/senlisfilms/ ■Facebook https://www.facebook.com/senlisfilms
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書きたい生活
¥1,540
予約商品
*現時点での注文分はサイン本となります 言わなかったことや言えなかったことが、 なかったことにならないでほしい。 そう思い続けて、そう思うから、 そう思っていることを、 わたしはずっと書いてきたのかもしれない。 ――本文より 【本書の内容】 2021年9月、『常識のない喫茶店』で鮮烈なデビューを果たした僕のマリ。 一度の滞在でクリームソーダを三杯続けて飲む猛者、 お気に入りの店員にスケスケのタイツをプレゼントする中年、 来るたびに小さな灰皿を盗む男とゆで卵用の塩入れを盗む連れの女、 あるいは…… 他の客に席を譲らない老人と喧嘩する(これまた老人の)マスター、 暴言を吐く半グレ風男性客を店の外まで追いかける同僚のしーちゃん、 ゴミを持ち込んだ客に「うちもいらないです」と突き返すわたし。 そんな刺激的すぎる毎日をストレートに綴ったエッセイは、 「仕事だから我慢しろ」「店員なら耐えろ」といった声が一部ありながらも、 「救われた」「勇気をもらった」という大きな共感とともに受け入れられた。 理不尽なクレームと闘い、自らが信じる正しさを貫く著者の物語は、 過去に負った傷を癒やす「再生の物語」そのものだった。 本の刊行後、その翌月には喫茶店を卒業し、長く住んだ街を引っ越した。 パートナーと暮らしながら、週に何回かバイトしつつ、やはり文章を書いている。 今回の本には、卒業までの日々と、卒業後の生活が瑞々しく描かれている。 ちっぽけであたたかな日常ほど忘れたくない。 書き留めておくことで、きっとまた前に進める。 そんな静かな決意とともに放つ、作家としての新たな一歩。 『常識のない喫茶店』の正統な続編にして完結編、ついに刊行! 目次 はじめに 1 常識のない喫茶店 初めての商業出版 その後の喫茶店 日記 二〇二一年八月-十月 卒業 2 新しい生活 日記 二〇二一年十一月-十二月 長いお休み 引っ越し 二人暮らし 文筆業とアルバイト 3 また本を書いている (体力のない私の)仕事論 日記は筋トレ 日記 二〇二二年八月-十月 書きたい生活 喫茶再訪 本とともにある人生 原稿が書けないときの話 おわりに――なかったことにならないでほしいこと 著者プロフィール 僕のマリ (ボクノマリ) (著/文) 〈ぼくのまり〉1992年福岡県生まれ。2018年活動開始。同年、短編集『いかれた慕情』を発表。同人誌即売会で作品を発表する傍ら、商業誌への寄稿も行う。2021年9月に出版した『常識のない喫茶店』(柏書房)は「キノベス!2022」6位にランクイン。その他の著書に『まばゆい』(本屋lighthouse)がある。
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常識のない喫茶店
¥1,540
潜入したい。変なあだ名を付けられたい。 顔色を窺って生きてきた彼女が出禁のカードを振りかざす。 その瞬間を目撃したい。 こんな働き方、誰も教えてくれなかった。 ――こだまさんも夢中! ■内容 「働いている人が嫌な気持ちになる人はお客様ではない」 ――そんな理念が、この店を、わたしを守ってくれた。 失礼な客は容赦なく「出禁」。 女性店員になめた態度をとる客には「塩対応」。 セクハラ、モラハラ、もちろん許しません。 ただ働いているだけなのに、 なぜこんな目にあわなければならないのか。 治外法権、世間のルールなど通用しない 異色の喫茶で繰り広げられる闘いの数々! 狂っているのは店か? 客か? あらゆるサービス業従事者にこの本を捧げます。 喫茶×フェミニズム―― 店員たちの小さな抵抗の日々を描く、 溜飲下がりまくりのお仕事エッセイ! ■メニュー(目次) Ⅰ 魅惑の喫茶 プロローグ 妖怪在庫荒らし 出禁です 同僚観察記 やさしい人 いかれたマスター お仕置きです 推しの客 緊急事態喫茶 SNS警察 ガチ恋の翁 グレーゾーン村の人々 不惑の喫茶 Ⅱ おかわり ここだけの話 喫茶店員あるある わたしの喫茶紀行 特別なお客さん 厨房は戦場 卒業 人生の分かれ道 ■著者プロフィール 僕のマリ 〈ぼくのまり〉1992年福岡県生まれ。2018年活動開始。同年、短編集『いかれた慕情』を発表。同人誌即売会で作品を発表する傍ら、商業誌への寄稿も行う。 Twitter: @bokunotenshi_ Kindle→https://amzn.to/3ImiVC7
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まばゆい
¥1,650
僕のマリ、待望のエッセイ集。 「苦しくて甘いよろこび 色あせることのない思い出たち」 〈植本一子さん帯文〉 書くことは自分を救うことーーそう言い切る彼女に賛同する。 私たちは似ているところがある。書かずにはいられないのだ。良いことも悪いことも、たとえ大事な人を傷つけても。 自分のために、誰かのために、きっと今日も書いている。 『常識のない喫茶店』(柏書房)にて商業デビュー、発売すぐに重版もかかるなどその実力を見せつけている僕のマリのエッセイ集。『喫茶店』に至るまでの彼女の人生を振り返る1冊でもあり、彼女の「書くこと」に関する〈核〉のようなものも見えてくる内容となりました。読後にはタイトルの『まばゆい』に込められた想いが、自ずと沁み入ってくると思います。『常識のない喫茶店』とあわせて読んでもらえるとうれしいです。 〈目次〉 まえがき 生活 注意力散漫 愛を飼う きょうだい 緘黙のファンファーレ 青さと音楽 野崎さんのこと ほろ酔い 終わりのない友情 いままでのこと、これからのこと お母さんへ あとがき 奥付・著者プロフィール 写真(カラー) 〈仕様〉 B6変形 仮フランス装 表紙用紙 クラシックリネン129kg (雪) 見返し タント100kg グレー(B-5) 帯 クロマティコトレーシング(白) 本文用紙 b7バルキー73.0kg 128p(巻末16pはカラー写真) 〈著者プロフィール〉 僕のマリ 1992年福岡県生まれ。2018年活動開始。同年、短編集『いかれた慕情』を発表。2021年には柏書房より『常識のない喫茶店』を刊行。犬が好き。 Twitter:@bokunotenshi_ 品子(写真) 1992年生まれのいて座。2016年に写真集「街の灯」を制作。現在、喫茶店で働きながら気ままに写真を撮っています。
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ナンセンスな問い 友田とんエッセイ・小説集Ⅰ
¥2,200
予約商品
本屋には行く。なぜなら、体にいいからだ。 「ナンセンスな問いに私は駆り立てられる。そこには意味など何もないし、問うたところで社会が変わるというようなものでもない。しかし、しばしば当然と思っているところに風穴を空けてくれることがある。問わなければ気づきもしなかったことが、初めて目に留まる。いつもの日常がちょっと違って見えてくる。世界が可笑しさに満ちてくる。満ちてきたらどうなのだと言われると、困ってしまうが、困ったなあと言いながら、私は今日もナンセンスな問いを発している。」(本文より) 『『百年の孤独』を代わりに読む』『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する』の著者による、待望の作品集。 連作エッセイ「本屋に行く」、小説「私の応援狂時代」ほか、各媒体に掲載された作品に書き下ろしを加えて単行本化。 著者 友田とん(ともだ・とん) 作家、編集者。京都府生まれ。可笑しさで世界をすこしだけ拡げるひとり出版レーベル「代わりに読む人」代表。博士(理学)。 大学では経済学、大学院では数学(位相幾何学)を研究し二〇〇七年に博士(理学)を取得。企業でコンピュータサイエンスの研究者・技術者として勤務する傍ら、『『百年の孤独』を代わりに読む』を文学フリマ東京で発表。同書を書店に置いてもらうため営業(行商)しながら全国を巡る。その後、「代わりに読む人」を立ち上げ、独立。自著のほか『うろん紀行』(わかしょ文庫)、『アドルムコ会全史』(佐川恭一)、文芸雑誌『代わりに読む人』を刊行している。 著書に『『百年の孤独』を代わりに読む』、『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する』シリーズ(代わりに読む人)。共著に『ふたりのアフタースクール ZINEを作って届けて、楽しく巻き込む』(双子のライオン堂出版部)。ほか、寄稿多数。
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わたしは思い出す
¥3,500
大地震後の11年を生きた、 ひとりの女性の育児日記。 その再読から始まる 30万字超の追憶の記録。 〈震災〉ではなく〈わたし〉を主語にする、 想起と忘却の生活史。 – 仙台市の沿岸部に暮らすかおりさん(仮名)は、2010年6月11日に第一子を出産しました。彼女はその日から育児日記をつけ始めます。そんな矢先、あの大地震が。 彼女はその後も手書きの日記を綴り続けました。1日の終わりに、ひとりだけのダイニングで。言葉を発した日。ぐずって泣き止まない日。留守番を任せた日。 地震から10年後。彼女は日記を再読し、語り始めます。 ––––––––––––––––– 『わたしは思い出す』特設サイトにて試し読み公開中 https://aha.ne.jp/iremember/ ––––––––––––––––– 人は、経験していないことを、 どのように経験できるのか──。 私(わたくし)の記録と記憶のアーカイブ・プロジェクト「AHA!」による、記録集『はな子のいる風景』(2017)に続くあたらしい編書。2023年1月11日発売。 *AHA!による出版レーベルの試みのひとつとして、書籍刊行後に本書のすべてのページはウェブサイト上にて公開する予定です(写真やテキストの一部は、書籍のみに掲載される場合があります)。 – 書誌情報 『わたしは思い出す I remember ─ 11年間の育児日記を再読して』 発行|2023年1月11日 仕様|W110×H160 / 並製 / 832頁 企画|AHA![Archive for Human Activities /人類の営みのためのアーカイブ] 取材・編集・執筆・構成|松本篤(AHA!) デザイン|尾中俊介(Calamari Inc.) 編集|阿部恭子、奈良歩、水野雄太(AHA!) 撮影|水野雄太、松本篤 協力|仙台市、せんだい3.11メモリアル交流館(公益財団法人仙台市市民文化事業団)、デザイン・クリエイティブセンター神戸[KIITO] 発行元|remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織] 価格|3,500円(税込) ISBN978-4-9910760-1-5 – ◯『わたしは思い出す』発売開始に寄せて https://note.com/aha_2005/n/nc223749b0948 ◯『わたしは思い出す』の6つのアプローチ https://note.com/aha_2005/n/nf3dc8099e7b3 ◯あなたの《わたしは思い出す》 https://note.com/aha_2005/n/nbcde1f961ee6 – >> 本書の最新情報をnoteで随時更新しています https://note.com/aha_2005/m/m62982cace01f – *本書は、せんだい3.11メモリアル交流館、および、デザイン・クリエイティブセンター神戸にて開催された展覧会『わたしは思い出す』の内容に、新たな要素を加えて再構成したものです。
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三人が苦手 vol.1
¥800
三人以上で話すのがちょっと苦手な二人でつくったZINEです。
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フェミニズムのつどい「ある本屋」活動報告(2021年度)
¥800
当店にて隔月開催中のフェミニズム関連読書会「ある本屋」の活動報告冊子です。今号は2021年度開催の計6回分を収録のほか、運営協力・町田彩夏さんのエッセイ、特別寄稿で北村紗衣さんにも文章を寄せてもらっています。 「ある本屋」についてはこちら→https://lighthousefeminism.substack.com/p/coming-soon ------------------------------------------------------------ 目次 フェミニズムのつどい「ある本屋」と本冊子の目的 第1回 『ファイト・クラブ』(チャック・パラニューク) 第2回 『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ) 深い読みは役に立つけど、役に立たせすぎてはいけない(北村紗衣) 第3回 特別版:小田急事件と優生思想発言を考える 第4回 特別版:ジェンダーと政治 絶望の淵で希望を臨む(町田彩夏) 第5回 「性」から考えるユートピア・ディストピア 第6回 『フラッシュ』(ヴァージニア・ウルフ) 世界が変わる、世界を変える(町田彩夏) ------------------------------------------------------------ B6版・120ページ
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[再入荷待ち]反トランス差別ZINE われらはすでに共にある
¥700
SOLD OUT
*2月中旬の再入荷予定です いま、巨大な嵐がトランス当事者を襲っている――トランス差別という嵐である。 ジェンダーアイデンティティ概念を疑う言説、当事者がみな性加害者であるかのように語る言説、ミスジェンダリング言説が大手を振ってまかり通る現在に、われらは抵抗せねばならない。 トランス差別を成立させている構造とは何なのか、いま何が起きているのか、トランス差別の背景に潜むものは何なのか。 それらをまっすぐに暴き批判する姿勢を、今こそ示す必要がある。 そのような問題意識により、今回の反トランス差別ZINE企画は発足した。 内容はトランス差別に抵抗するための言説、当事者の証言、映画・ブックガイドなど多岐にわたる。 手に取った人がトランスのリアルに触れ、現在進行形の加害を食い止めるための実践になりうる冊子の刊行を、われらはここに宣言する。 目次 はじめに エッセイ 三木那由他「くだらない話がしたい」 ただの沼「べつの言葉で」 青本柚紀「クィアな自認の時間性――あなたにそれが届くまで」 山中千瀬「言葉がほしい」 さとう渓「トランスジェンダーは難しくない」 水上文「シスジェンダーとは何か」 かがみ「「キラキラしたトランスジェンダリズム」ってなんですか?」 福永玄弥「わたし(たち)は忘れない」 高島鈴「その声には応答しない」 近藤銀河「シスターズへ」 堀田季何「メモ・ノワール」 榎本櫻湖「声について」 山内尚「熊で鹿で兎でそして」 呉樹直己「セックストイと自炊飯」 清水晶子「背を向けて、彼方を見つめて、向き合って」 岩川ありさ「雑踏の中でも見つけられる」 トランスジェンダー映画ガイド 児玉美月「世界のトランスジェンダー映画五選」 共にあるためのブックガイド 水上文「私たちの問題――「トランスジェンダー問題」を捉え直す」 中村香住「トランスジェンダーとフェミニズムの共闘点」 近藤銀河「ハンマーの共鳴音を探る」 青本柚紀「割り当てられた性を出てゆく経験としてのトランス」 表紙イラスト 山内尚 デザイン 宮越里子 Kindle→https://amzn.to/3DAKZOG
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布団の中から蜂起せよ アナーカ・フェミニズムのための断章
¥2,200
高島鈴×北村紗衣トークイベント「布団の中から批評せよ」アーカイブ視聴可能です→https://twitcasting.tv/book_lighthouse/shopcart/196938 内容説明 今、この人の話していること、聞かないとだめじゃないかな。 耳を傾けるだけじゃなくて。体ごと傾けて。 ――斎藤真理子(翻訳家)推薦 - - - - - - - - - - あなたに死なないでほしい。 家父長制、資本主義、天皇制に抗して、あらゆる生存のためになにができるのか、なにが言えるのか。金子文子やデヴィッド・グレーバーを参照軸に、アナーカ・フェミニストの立場からこのくにの歪みを抉り出す、ライター高島鈴の初エッセイ集。脈打つ言葉は、きっと誰かの心臓と共鳴する。 「どうせ生まれてしまったんだから、他人のために、少しでもこの世をマシな方向に動かそう。自分のために殺意を使うな。首にかかった手を外して、ゆっくりと社会に向かって拳を握り直そうではないか。いろいろなものに追い詰められて、布団の上に横たわったまま動けずにいる身体は、あなたの意志ひとつで蜂起に参画できる。私はあなたと、そういう戦いをしたいのである」(本文より) 目次 序章 第1章 アナーカ・フェミニズムの革命 第2章 蜂起せよ、〈姉妹たち〉 第3章 ルッキズムを否定する 第4章 布団の中から蜂起せよ――新自由主義と通俗道徳 第5章 動けない夜のために――メンタルヘルスと優生学 第6章 秩序を穿つ――ナショナリズム/天皇制に抗する 第7章 儀礼から遠く離れて 第8章 死者たちについて 終わりに 初出一覧 高島 鈴(たかしま・りん) 1995年、東京都生まれ。ライター、アナーカ・フェミニスト。 ele-kingにてエッセイ「There are many many alternatives. 道なら腐るほどある」、『シモーヌ』(現代書館)にてエッセイ「シスター、狂っているのか?」を連載中。ほか、『文藝』(河出書房新社)、『ユリイカ』(青土社)、『週刊文春』(文藝春秋)、山下壮起・二木信編著『ヒップホップ・アナムネーシス』(新教出版社)に寄稿。CINRA、WEZZYなどウェブマガジンにも寄稿。 Kindle→https://amzn.to/3GbiSGx
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トランスジェンダー問題 議論は正義のために
¥2,200
トランス女性である著者が、トランス嫌悪的な社会で生きるトランスジェンダーの現実を幅広い調査や分析によって明らかにする。これまで自伝や研究書に偏っていたトランスジェンダーを扱った書籍の中で、事実に基づき社会変革に向けて開かれた議論を展開する画期的な一冊である。トランスジェンダーの実態を何ら顧みない、排除のための偏見に満ちた言説が拡大される中、日本における「トランスジェンダー問題」を考える上でも必読の書。 議論は知識を踏まえ、事実に基づき、正義のために行われなければならない。 「女が消される」「性犯罪が増える」「多くの人が性別移行を後悔する」 ――「トランスジェンダー問題」にまつわる数々の虚偽(デマ)から解放される時が来た。 これは全身全霊で推薦すべき、正義の書だ。 ――李琴峰(芥川賞作家) トランス女性はどちらのトイレを使うべきかというような、反対派によってでっち上げられた「問題」ではなく、当事者の経験する本当の「問題」を論じている。 20年以上コミュニティに関わるわたしから見て、ひろく一般の読者にお勧めできるはじめてのトランスジェンダーについての本。 ――小山エミ(シアトル在住活動家、脱植民地化のための日米フェミニストネットワーク共同創設者、性労働者の権利と安全のための連帯代表) 2021年に英国で刊行されるや否や、大きな反響を呼んだ書籍The Transgender Issue: An Argument for Justiceの待望の日本語版。 これまで自伝や研究書に偏っていたトランスジェンダーを扱った書籍の中で、事実に基づき社会変革に向けて開かれた議論を展開する画期的な一冊である。 トランスジェンダーの実態を何ら顧みない、排除のための偏見に満ちた言説が拡大される中、日本における「トランスジェンダー問題」を考える上でも必読の書。 巻末には、清水晶子氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)による解説と、高井ゆと里氏による訳者解題を収録。 目次 プロローグ イントロダクション 見られるが聞かれない 第1章 トランスの生は、いま 第2章 正しい身体、間違った身体 第3章 階級闘争 第4章 セックスワーク 第5章 国 家 第6章 遠い親戚―LGBTのT 第7章 醜い姉妹―フェミニズムの中のトランスたち 結 論 変容された未来 謝 辞 解 説 スーパー・グルーによる一点共闘―反ジェンダー運動とトランス排除(清水 晶子) 訳者解題 日本で『トランスジェンダー問題』を読むために 訳者あとがき 原 注 著:ショーン・フェイ Shon Faye イギリス・ブリストル出身。現在はロンドンを拠点に活動。弁護士としての訓練を受けた後、執筆活動やキャンペーン活動を行うために退職し、慈善団体Amnesty InternationalやStonewallで働いている。Dazed誌の編集長を務めたほか、Guardian誌、Independent誌、Vice誌などで執筆活動を行っている。最近、LGBTQの先駆者たちにインタビューするポッドキャストシリーズ「Call Me Mother」を立ち上げ、高い評価を得ている。本作は初の著書。 翻訳:高井ゆと里(たかい・ゆとり) 群馬大学情報学部准教授。石川県立看護大学講師などを経て現職。東京大学大学院人文社会系研究科・倫理学研究室博士課程修了。博士(文学)。専門は倫理学、主専攻はハイデガー哲学と研究倫理。単著に『極限の思想 ハイデガー 世界内存在を生きる』(講談社選書メチエ)。 解説:清水晶子(しみず・あきこ) 東京大学大学院人文科学研究科英語英米文学博士課程修了。ウェールズ大学カーディフ校批評文化理論センターで博士号を取得し、現在東京大学大学院総合文化研究科教授。専門はフェミニズム/クィア理論。著書に『読むことのクィア――続 愛の技法』(共著、中央大学出版部)、『Lying Bodies:Survival and Subversion in the Field of Vision』(Peer Lang Publishing)など。 Kindle→https://amzn.to/3igFxsP
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親子は生きづらい “トランスジェンダー”をめぐる家族の物語
¥3,740
親子は、なぜこんなにも分かり合えず“生きづらい”のか――。 トランスジェンダーである“僕”は、幼い頃から抱いてきた違和感が成長と共に膨らみ、ある日、家族へのカミングアウトを決意する。 “僕”の語り―― 「男になりたい」ずっと嫌なことばかりで、我慢ばかりで生きてきた。 でも、泣き叫ぶしかできない僕を見る母親の目は、冷ややかだった。 ムカつくのに、あの人に愛されなかった思うことが、すごく悲しかった。 “母”の語り―― 念願の娘が息子になんて。天と地がさかさまになるような気持ちだった。 美穂は、なんてわがままな子なんだ、と。 受け入れることはおろか、話を聞くことすら私にはできなかった。 (「カミングアウトの明暗」より) “僕”と“母”。親子それぞれの肉声で語られる物語は、溶け合うことなく互いに時を刻み、やがて予期せぬ軌道を描いてゆく――。 本書は、年月を重ねるごとに変化する、トランスジェンダーを取り巻く問題が克明に記されるとともに、戸惑いや葛藤を行きつ戻りつして進む、母親の本音が生々しく語られるノンフィクション作品。家族だからこそ伝わらない複雑な想い。理解とは何か。共に生きるとは何か。この小さなひとつの家族の物語に、どこか「わたしたち」自身の姿を見出さずにはいられない。 親子の語りを受け、ジェンダー・セクシュアリティを専攻する臨床心理士・佐々木掌子氏(明治大学)による「解説」と、フェミニズム・クィア理論を専攻する清水晶子氏(東京大学)、臨床心理学者・東畑開人氏(白金高輪カウンセリングルーム)を迎えた鼎談「願われた幸せの先――「生きづらさの理由」は説明できるか?」を導きの糸に、「違ったままで、でも共に」生きるという結論にたどりついた、家族の物語を紐解いていく。 目次 第1部-とまどいの中を生きる――カミングアウトと家族の物語 序章-親へのカミングアウト 第1章-誕生と違和感(幼少期~中学校時代) 第2章-反発と孤独(高校~大学時代:カミングアウト前) 第3章-カミングアウトの明暗(告白と母の背景) 第4章-母と子、異文化の咀嚼と変化(母との対話と終戦) 第5章-身体の変化と初めて生まれた“夢”(手術~大学受験/生き直し) 第2部-長い闇を超えて 序章-22歳から見る未来 30歳から見た過去 第1章-男と女のはざまで――境界から見えたもの 第2章-心地よさと寄る辺なさと――当事者コミュニティへの帰属と格差 第3章-傷つく私・傷つける私――立場の反転による価値観の瓦解 第4章-「わたしは罪人」――社会での葛藤と劣等感の再燃 第5章-暗い闇の中から――他者の関わりと回復への光 終章-違ったままで、でも共に――親子の10年間の結論 追伸-これからの「わたしたち」 解説-本書を立体的に理解する一助として/佐々木掌子 鼎談-願われた幸せの先――「生きづらさの理由」は説明できるか?/清水晶子・東畑開人・勝又栄政 あとがき
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点から線へ トランスジェンダーの〝いま〟を越えて 映画『片袖の魚』より
¥1,650
自分を不完全な存在だと思い込み、自信を持てないまま社会生活を送るひとりのトランスジェンダー女性が新たな一歩を踏み出そうとする――。 そんなささやかな物語を描いたショートムービー『片袖の魚』。 日常生活のなかで性自認・性同一性を巡り、さまざまな制約や悩みを抱えるトランスジェンダーが自分らしく生きられる社会にするために大切なことは、いったい何なのでしょうか。 『片袖の魚』を通して、トランスジェンダーが直面する課題について考えたいと思います。 第1章では映画『片袖の魚』をクィアの視点から読み解きます。第2章では「トランスジェンダー」とは何か? を知り、現実にトランスジェンダー当事者が社会に参加をしようとしたときに直面する様々な障壁について考えます。 第3章では再び映画へと戻り、主演イシヅカユウの魅力を文章と撮りおろしフォトによって表現。 映画『片袖の魚』から広がる波紋の輝きを書籍としてまとめました。 目次 イントロダクション ストーリー 第1章 映画『片袖の魚』 RED FISH/文月悠光 道徳の世界の道徳ならざる光 /李 琴峰 「不完全さ」を愛する人、クィア映画作家・東海林 毅 /久保 豊 映画に寄せられたコメント 第2章 歴史 点から線へ トランスジェンダーの歩み /三橋順子 歴史を変えたトランスジェンダー/三橋順子 映画『片袖の魚』と、目につかせないことのリアリティ /清水晶子 トランスジェンダーにとっての就職/仕事/職場 /堀川 歩 鼎談 グラビアアイドルにトランスした、わたしがわたしであるために /広畑りか×山本宗宜×東海林 毅 「トランスジェンダー役はトランスジェンダー当事者の俳優に」という考えに対し僕が思うこと /東海林 毅 第3章 明日 あなたへ 漫画「幻日」 /新星エビマヨネーズ 〝イシヅカユウ〟という表現体 /長田杏奈 映画『片袖の魚』に寄せて /イシヅカユウ イシヅカユウ フォトグラフィー 映画『片袖の魚』オールクレジット
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わたしたちの猫
¥1,540
*ただいま文月さんサイン本となっております 〈映画『片袖の魚』原案詩「片袖の魚」収録作〉 人の心には一匹の猫がいて、そのもらい手を絶えず探している。自分で自分を飼いならすのはひどく難しいから、だれもが尻尾を丸め、人のふりして暮らしている。 恋する私たちを描く、文月悠光の第3詩集。 目次 空の合図 わたしたちの猫 選ばせたもの みんな甘えたがり 夜明けのうつわ 愛は比べようもなく 四月一日の告白 ばらの花 女の子という名のわたし たてがみのように レモンの涙 砂漠 主人公 夏の観測席 まぶたの傷 春にはいない虫 片袖の魚 耳のはばたき 教室という小箱 わたしは光 ふたりの狭間 スローファイヤー 片手のゆくえ 卒業 迷い猫 物語の恋人 あとがき 著者プロフィール 文月悠光 (フヅキユミ) (著/文) 1991年北海道生まれ。詩人。中学時代から雑誌に詩を投稿し始め、16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年時に出版した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少の18歳で受賞。早稲田大学教育学部在学中に第2詩集『屋根よりも深々と』(思潮社)を刊行。2016年、初のエッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)を刊行。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩の朗読、書評の執筆など広く活動している。
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パラレルワールドのようなもの
¥2,420
*ただいま文月さんサイン本となっております 消させない 私は今も踊り場に立っているのだ。 幼い自分を受け止めて、 彼女が生きる世界を変えるために。 (「痛みという踊り場で」) 「今日、一篇、文月悠光の詩を読む。すると明日が来る。生きようと思う日が。」(小池昌代)。 「正気でない文月さんの帯を書くなんて私にはできない……。ただ、女に生まれてよかったと初めて思ったの」(夏木マリ)。 中原中也賞詩人、新境地に立つ26篇。6年ぶり、待望の第4詩集! 装幀=川名潤、カバー写真=小山泰介
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臆病な詩人、街へ出る。
¥737
SOLD OUT
*サイン本は終了しました 「詩の芥川賞」こと中原中也賞を最年少18歳で受賞。〈JK詩人〉〈学生詩人〉ともてはやされるも、大学を卒業した今、ただの世間知らずで夢見がちな女に……。そんな自分と向き合うため、未知の現実へ踏み出そう。キックボクシング、八百屋、テレビ出演、そして、恋愛。臆病な冒険の先に広がる景色は――。誰の内にもある繊細さと密やかに響き合うエッセイ集。巻末に谷川俊太郎氏との対談を収録。
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適切な世界の適切ならざる私
¥748
SOLD OUT
*サイン本は終了しました 「だから/おりてこいよ、ことば。」「されば、私は学校帰りに/月までとばなくてはならない。」―学校と自室の往復を、まるで世界の淵を歩くようなスリリングな冒険として掴みとってみせた当時十代の詩人のパンチラインの数々は「現代詩」を現代の詩としてみずみずしく再生させた。中原中也賞と丸山豊記念現代詩賞に輝く傑作詩集が待望の文庫化! 目次 落花水 適切な世界の適切ならざる私 私は“すべて”を覚えている 産声を生む 雨に濡れて、蜜をそそぐ 単行本未収録詩
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フェミサイドは、ある
¥1,100
2021年8月6日夜、小田急線車内で女子大学生が複数回刃物で刺されて重傷を負い、男女3人が切りつけられ、6人が転倒するなどしてけがをした事件が発生しました。「幸せそうな女性を殺したい」と殺意を持って女性を刃物で刺した、との容疑者の供述が報道されました。 これは「性別を理由にした女性の殺害」と定義される「フェミサイド」だ、女性であることを理由に向けられた暴力と差別をなかったことにしてはならない。そう考え、立ち上がった一人の大学生が、「フェミサイドは、ある」と言い続けた行動の記録です。 【目次】 まだ知らなかった日 ポストイット・テロリスト フェミサイドは、ある 要望書を作る #小田急フェミサイドに抗議します デモ 「私たち」とは誰か? 1ヶ月後の #小田急フェミサイドに抗議します デモ 南米の反フェミサイド運動 運動には人とお金と時間が必要だ 大学生たちが記者会見をする 内閣府男女共同参画局長に署名を提出する おわりに 【概要】 『フェミサイドは、ある』 著 皆本夏樹 2022年8月中旬発売予定 定価 1000円+税 B6版・60ページ デザイン 井上麻那己 発行 gasi editorial 発売 タバブックス
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反「女性差別カルチャー」読本
¥1,100
gasi editorial第一弾のZINE、『反「女性差別カルチャー」読本』を刊行します。 女性差別的発言、誹謗中傷、攻撃、からかいなど、SNSやメディア、リアルの生活において女性差別を「ネタ」として扱う、いうなれば「女性差別カルチャー」はなぜなくならないのか。この問題について研究、メディア、書店など多様な立場の執筆者たちがさまざまな形で考察した、読み応えある論考集です。 【概要】 『反「女性差別カルチャー」読本』 2022年5月30日発売 定価 1000円+税 B6版・70ページ デザイン 井上麻那巳 発行 gasi editorial 発売 タバブックス 【目次】 小林えみ ハトシェプスト 小山内園子 お仕置き名刺 関口竜平 文化=刷り込まれた価値観を認識するために 北村紗衣 うぬぼれ屋さん、この文章もたぶん自分のことだと思ってるんでしょ? 濵田真里 「女性差別カルチャー」の背景にある、男同士の絆 能川元一 「表自戦士」のフェミニズム・バッシング 河野真太郎 岐路に立つこと 小川たまか ミサンドリスト裁判 隠岐さや香 終わらない革命 山田亜紀子 私たちは屈しない――女性運動に対するSNS上の誹謗中傷 松尾亜紀子 「女性差別カルチャー」を知り、脱するために読みたい5冊 宮川真紀 どこから、どうやって人は変わるのか 山口智美 メディア抗議と「フェミだんまり」批判 越智博美 「不愉快な思いをされた方がいたら申し訳ないんですが」——ホモソーシャル共同体入会への符牒 松永典子 性差別のない文化の夢を見る 渚 一介の映画好きにできる二、三の事柄(あるいはもっと?)。 清水晶子 無題
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FROM THE HELL MAGAZINE vol.1
¥800
『FROM THE HELL MAGAZINE vol.1』 割り当てられた性別が女性のノンバイナリーで男性とも女性とも恋愛をする事のあるクィアとして日々考えた事感じたことを綴ったエッセイと生存の記録としての自撮り、お気に入りの書籍や映画の話をしているZINEです。 A5サイズ全18ページ。 作者のSNSなど、各種リンク先 → https://lit.link/AyanoisEverywhere
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[再入荷待ち]透明人間さよなら
¥600
SOLD OUT
ゲイとして生きる店主がこれまで感じてきた違和感や無意識にとってきた言動について顧みながら、なぜ本屋を開業することに至ったのかについて書いた本屋メガホンオリジナルZINEです。 「小さな声を大きく届ける」第一歩としてまずは透明人間として生きてきた自分について書くことで、本屋としてのコンセプトを読んで理解できるものになればと思っています。 □仕様□ 138mm×128mm/全24ページ/目玉クリップ綴じ 表紙:塩ビ板 0.5mm/本文:トレーシングペーパー 本屋メガホン 2023年岐阜市にてオープン予定の本屋メガホンです。 社会的マイノリティについて書かれた本をメインに取り扱い、本屋がメガホンとなって、いないことにされてきた彼らの「小さな声を大きく届ける」ことを目指します。 Twitter→https://twitter.com/books_megafon?s=20&t=_hcqV0jOYqYnDAlYXamGFA Instagram→https://www.instagram.com/books_magafon/ ホームページ→https://lit.link/booksmegafon
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おぺん選書便(3冊/5500円くらいのやつ)
¥5,500
本3冊+lighthouseロゴトートバッグ1つのセットです。 本3冊でだいたい5500円(税込)くらいになるように選書します。 設定金額に届かない分をトートバッグで吸収するスタイルです(トートバッグ単体は1000円+税で販売中)。 備考欄に ・トートバッグの色(ナチュラル/ネイビー) ・読みたいジャンルやテーマ(3つまで) ・くわえてNGのジャンルやテーマ、作家などがあれば(これは読みたくない!というものを知れたほうがありがいもので……) ・そのほか細かい希望があれば遠慮なくどうぞ あたりをご記入ください。 この本は入れてくれ、という「注文」もなんなりと。 そのほか質問などあればお問い合わせくださいませ。 *1万円選書のサービス「ブックカルテ」にも参加していますので、そちらのご利用も大歓迎です https://bookkarte.com
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メディア地質学 ごみ・鉱物・テクノロジーから人新世のメディア環境を考える
¥3,520
人類は石油を掘り スマホは化石になる── 物質という視点や長大な時間から現代のメディア状況を捉え直す、気鋭の研究者によるハードでドライなメディア文化論。 ポストヒューマンや新しい唯物論にも接続するパースペクティヴから傍若無人な人新世(Anthrobscene)を看破する── 気候変動に直面し、電子廃棄物の山が築かれ、マイクロプラスチックが地球規模で循環する時代、複雑な環境に取り巻かれた現代のメディア文化を十分に理解するために必要なこととはなんだろうか? それは発展的で単線的な歴史観や人間という尺度に則ってきた従来のメディア論ではなく、メディアをそれに先行する物質的現実(地球の歴史、地層、鉱物、そしてエネルギーなど)から捉える視点である。 本書では人間的なスケールから逸脱する巨視的・微視的な時空間からメディアテクノロジーの物質性を読み解くことで、メディア文化・地球・人間を貫く奇妙な関係を浮かび上がらせる。化石や元素といった地球由来の要素を利用したテクノロジーは、陳腐化してごみとなり、やがて地球へと回帰し、新たな「地球」を形づくっていく……その途上にある「今」をどのように考えられるのか──。本書はメディアテクノロジーを条件として「現在」に圧縮される過去と未来、そして迫り来る新たな「人間」と「自然」を探究する。 メディア研究の若き旗手の一人である著者による、人新世のためのメディア論に必須の一冊。 【キーワード】 人新世/傍若無人新世/ポストヒューマン/新しい唯物論/思弁的実在論/メディア考古学/深い時間/心理地球物理学/ごみ/資源/電子廃棄物/金属/鉱物/地層/化石/メディアテクノロジー化石/塵埃/労働/気候変動/環境/非人間/分解/DIY/サーキットベンディング/メディアアート…… 本書は──メディアテクノロジー文化の議論が置かれてしかるべきエコロジーの文脈に関連するという意味で──環境について(グリーン)の本であるのと同時に、汚物(ダート)と土壌にまみれている。この本では動物・テクノロジー・エコシステムについての彩ゆたかなメタファではなく、メディアと地球物理学的環境との関係の特定の面を強調する。[第1章より] 目次 日本語版への序文 序文 第1章 物質性──メディアと文化の土台 第2章 オルタナティヴなメディアの深い時間 第3章 テクノロジーと心理地球物理学 第4章 塵埃と消耗する生 第5章 未来の化石 おわりに いわゆる自然 補遺 ゾンビメディア──メディア考古学をサーキットベンディングしてアートの手法にする 謝辞 日本語版への追加資料 訳者解説 索引 ▲ PROFILE [著]ユッシ・パリッカ(Jussi Parikka) 1976年生まれ。オーフス大学教授(デンマーク)。サウサンプトン大学ウィンチェスター美術学校およびプラハ芸術アカデミー映像学部(FAMU)客員教授。編集者、キュレーターとしても活動。専門はメディア理論、メディア文化。著作としてInsect Media (2010), Digital Contagions (2007/2016)など。共編著書としてThe Lab Book: Situated Practices in Media Studies (2022)。論文や著作は11ヶ国語に翻訳されている。http://jussiparikka.net. [訳]太田純貴(おおた・よしたか) 1980年生まれ。鹿児島大学准教授。専門は美学芸術学・メディア文化論。執筆・翻訳・編集に、エルキ・フータモ『メディア考古学』(編訳、NTT出版、2015年)、『理論で読むメディア文化』(分担執筆、新曜社、2016年)、『美学の事典』(分担(項目)執筆、丸善出版、2020年)など。
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[再入荷待ち]セックスする権利
¥2,970
SOLD OUT
個人的で親密で政治的な、私たちのセックスについてフェミニズムは何を語ってきただろう? 各誌絶賛、気鋭の哲学者による初エッセイ集。 インセル、#MeToo、オンライン・ポルノ、セックスワーク、監獄主義――誰を求め誰に求められることを欲するか、欲望には個人の好みを通じてあらゆる抑圧が根を張っている。性の政治をめぐる複雑な問題にとどまり、フェミニストがセックスについて考え語ってきたことを緒に、21世紀フェミニズムをリメイクする。特別解説=清水晶子 【原著】Amia Srinivasan, The Right to Sex, 2021, published by Bloomsbury (UK) and Farrar, Straus and Giroux (USA). 19言語で翻訳。オックスフォード大チチェリ講座教授に最年少で女性・非白人として初めて就任した、気鋭哲学者が放つ21世紀フェミニズムの注目作! ガーディアン紙、ニューヨーク・タイムズ紙、サンデー・タイムズ紙ほか各誌絶賛―― ブラックウェル・ブック・オブ・ザ・イヤー2021受賞、オーウェル賞2022最終候補作、全米批評家協会賞(批評)最終候補作、サンデー・タイムズ紙(UK)ベストセラー 現在の、そして過去のフェミニストたちと共に考え語りあう時間が、私たちにはもっと必要ではないのか。『セックスする権利』は、セックスについて考え語ろうとする読者にとって、そのような時間を共にする非常に優れた伴侶になるだろう。――清水晶子(本書解説) スリニヴァサンは、フェミニスト哲学者が家父長制・資本主義・国家レイシズムの抑圧からいかにして私たちの基本的な倫理概念を解放できるのかを示してくれている。本書はその驚くべき、そして実り多い成果だ。――ジュディス・バトラー(ニュー・ステイツマン) 目次 まえがき 男たちに対する陰謀 ポルノについて学生と話すこと セックスする権利 コーダ――欲望の政治 教え子と寝ないこと セックス、監獄主義、資本主義 謝辞 解説[清水晶子] 訳者あとがき 原注・訳注 参考文献(法律文書) 索引 著者プロフィール アミア・スリニヴァサン (アミア スリニヴァサン) (著/文) アミア・スリニヴァサン(Amia Srinivasan) 1984年バーレーン生まれ。ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、台湾で育つ。現在はオックスフォード大学オール・ソウルズ・カレッジ社会政治理論チチェリ講座教授。セックス、死、タコ、怒り、サーフィン、代名詞の政治など幅広いテーマについて、寄稿編集者を務める『ロンドン・レヴュー・オブ・ブックス』をはじめ『ニューヨーカー』『タイムズ・リテラリー・サプリメント』『ニューヨーク・タイムズ』などに文章を寄せている。オックスフォード在住。 山田 文 (ヤマダ フミ) (翻訳) 山田 文(やまだ ふみ) 翻訳者。訳書にキエセ・レイモン『ヘヴィ─あるアメリカ人の回想録』(里山社)、ヴィエト・タン・ウェン『ザ・ディスプレイスト─難民作家18人の自分と家族の物語』(ポプラ社)、ダレン・マクガーヴェイ『ポバティー・サファリ─イギリス最下層の怒り』(集英社)、デイヴィド・ヴィンセント『孤独の歴史』(東京堂出版)などがある。