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江戸にラクダがやって来た
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文政四年七月、二頭のヒトコブラクダがオランダ船で長崎に到着。以後十年余り見世物として全国各地を巡業、一目見たいと人びとは熱狂した。その様子は多くの随筆記録・絵画に描かれ、落語・歌舞伎のあてこみ、民間伝承も生まれた。著者は文献・資料を丹念に読み解きながら、ラクダを通した異国形象認識について解き明かす。
目次
第一章 江戸にラクダがやって来た
一 江戸はラクダで大騒ぎ
どのようにラクダと接したか/到着地、板橋へも人が殺到/紀州藩主と平戸藩主の明暗/迎賓館赤坂離宮と赤坂御用地/感染症流行の時代/絶妙のタイミング/ラクダから逃げ出す疫病神/元気な十方庵の記録からわかること/「ラクダ現象」の広がり/『武江年表』の誤りと、資料の扱いについて
二 長崎舶来から江戸に至るまで
長崎にとどまり続けるラクダ/ラクダの情報で遊ぶ江戸の狂歌師たち/ラクダが出島を去るまで/大坂にラクダがやって来た/大坂の唐物屋が売り出していたラクダ絵図/なかなか始まらない難波新地の見世物/大坂でも大当たり/大坂から京へ/ラクダを描く画家たち/雌雄仲むつまじいラクダは「夫婦」に/流行唄のラクダは「よれつもつれつ夫婦連れ」/「土瓶の鋳掛」から「駱駝」へ/文人たちの「仲よしラクダ現象」 ――頼山陽と梁川星巌/さらに語られ、描かれるラクダ/伊勢を経て、中山道から江戸へ/ラクダは「紀州様の荷」
三 『駱駝之図』を読む
絵柄を読む/唐人姿の男たち/口上記文を読む/中国的認識枠と西洋知識/ラクダのコブはむずかしい/「天竺カテゴリー」とハルシヤ、アラビア/誇張されるラクダの能力/盛りだくさんの「ご利益」/ラクダと七福神とのコラボ/『和合駱駝之世界』/ラクダ研究書の世界/1堤它山『駱駝考』/2大槻玄沢『駱駝訳説』/3松本胤親『駱駝纂説』/4山崎美成『駝薈』/江戸の「ラクダ現象」をめぐって
四 ラクダの旅路
水海道でのトラブル、そして八王子、大田原(文政八年)/金沢、鯖江を経て名古屋へと向かう(文政九年)/ついに名古屋にラクダがやって来た(文政九年十一月)/『絵本駱駝具誌』が再現する世界/二度目はうまくいかず備前から徳島へ(文政十年)/中国地方をめぐる旅 ――広島、岩国、天神渡、津山(文政十一年)/謎の空白を経て若狭小浜に(天保三年)/江戸再来と信州飯田(天保四年)/ラクダの行方/ラクダの到来と異国・自国の形象
五 落語『らくだ』の時代
落語『らくだ』の概要/ラクダ見世物と「かんかんのう」/同時代文化が交響する落語/『らくだ』のパフォーマンス
第二章 舶来動物と見世物
一 動物舶来の歴史
古代の動向/クジャクとオウム/舶来動物と「ご利益」/中世の動向/朝鮮のタカ/近世の動向/多数を占める鳥類/かぎられた享受者たち
二 舶来動物の見世物
見世物の揺籃期/商業化が進んだ江戸時代後期
三 そこで何が起こっているのか
珍しい動物の「ご利益」/生餌の演出/勢州松坂鳥屋熊吉/議論の行方
第三章 開国期における異国・自国の形象
一 異国船はやって来る
オランダと中国が混淆する異国船/「来航する」という形式
二 ペリー来航と日米のレプリゼンテーション
西洋世界の地球的拡大とペリーの「砲艦外交」/日米のレプリゼンテーション
三 不気味な異国人物、そして「神風」「神国」
異形の異国人物たち/「神風」が異国船を吹き戻す/非対称性の別次元からの解消/「神国」では異国のトラも日本語を覚える/「神風」の遊廓
第四章 日本人になってみる、日本をやってみる ――身体が形象するジャポニスム
一 日本人になってみる
あたしたち日本人になっちゃった/「日本人になってみる」コスプレの系譜
二 日本をやってみる ――「茶店・茶屋」と「茶屋の娘」たち
プラハのYOKOHAMA/チェコのジャポニスムを牽引したホロウハ
三 ホロウハの行動的ジャポニスム
『嵐のなかのサクラ』と最初の日本滞在/二十代後半での「茶店・茶屋」の実現/『日本の子どもの昔ばなし』
四 「実物の日本人」と出会う
日本の軽業曲芸師たち
五 ジャポニスムの源泉としての軽業曲芸師
最初の旅券の集団/「子どもたちは例の日本人を見てきた」
六 「芸者」と「ゲイシャ」の相乗
万国博覧会と「日本村」/オペレッタ『ゲイシャ』に烏森芸者が出演/ドレスデンの芸者とプラハの「茶屋の娘」たち
第五章 横浜が売る「ニッポン」 ――サムライ商会を中心に
一 サムライ商会の「ニッポン」
強烈な日本趣味の外観/骨董と美術工芸品の製造 ――サムライ商会の内部から/日本趣味のシルバーウェア/再創造・再生産される「ニッポン」
二 野村洋三をめぐる人びと ――獅子文六、そして新渡戸稲造と鈴木大拙
作家、獅子文六の父親のシルク・ストア/新渡戸稲造の武士道に呼応して/鈴木大拙との交流/BushidoとZenの背後にあるもの
注
主要参考資料
初出一覧
あとがき
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