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生まれつき男社会に服従する女はいない
¥3,850 税込
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「完全に自立した筋金入りのフェミニストの女性ですら、ふと気がつくと、男の征服者然とした眼差しを好ましく思ったり、パートナーの腕のなかで言いなりの存在になることを欲したり、目立った華々しい活動よりもこまごまとした家事──かいがいしくリネン類を畳んだり、家族のために見栄えの良い朝食を用意したりすること──を好ましく感じている。このような願望、このような喜びは、はたして女の自立と両立可能なのだろうか」(本文冒頭より)。本書が扱う女の「服従」とは、奴隷のようになることとは違う。哲学上、服従は、人間にとって最も崇高な自由を自ら手放すことであり不道徳とされてきた。ところが女の場合は違う。服従こそが女の道徳であり規範だというのである。そして服従しない女には懲罰が待ち受け、服従する女は利益を得ることによって、服従は再生産され、女の振る舞いとして浸透した。このような服従について、フェミニズムは問うことを避けてきた。女の劣等生の証、女はそれが自然、好きで服従している、と言いたい勢力に与しかねないからである。本書はこの難問に正面から取り組み、女を服従に同意させる原理を精緻に描き出した。指針はシモーヌ・ド・ボーヴォワール『第二の性』。長大で難解なこの古典のポイントをわかりやすく提示し、女も男も、全ての人がよりよく生きる可能性を拓く。
目次
序
第1章 哲学上のタブー
女の服従とフェミニズム/女性視点から見た服従/視点の問題/どの女か/支配と服従/ボーヴォワールとともに
第2章 服従が女らしいのか、女らしさが服従なのか
女はマゾなのか/服従は女性的な徳か/女であること、それは自ら服従すること
第3章 女とは何か
性的差異は本質問題ではない/女らしさは社会的構築物か/状況と性的差異/女らしさと宿命
第4章 わかりにくい服従
服従と普通の生/権力のボトムアップ的分析のために/服従からわかること/サバルタンは語ることができるか
第5章 服従という経験
特権的な立場/独自の現象学的方法論/なぜ現象学か/すべての女の経験?
第6章 服従とは疎外である
疎外としての抑圧/〈女‐客体〉
第7章 服従した女の〈身体‐客体〉
女は自己身体の抽象化ができない/生物学的身体は社会的である/客体化される〈生きられた身体〉――男女が共通してもつもの/女の疎外――客体化された〈生きられた身体〉/〈身体‐客体〉から、受動的な餌食へ
第8章 心地よさか抑圧か――服従の両義性
美しさ/〈愛‐自己放棄〉/服従という権力
第9章 自由と服従
服従することは非道徳的か/実存主義的視点/自由は獲得するもの/服従の理論的問題の解決/自由と状況/選択ではない同意/解放に向かって
結論――これからのこと
訳者あとがき
原注
著者
マノン・ガルシア
Manon Garcia
1985年生まれ。高等師範学校(École Normale Supérieure)卒業。哲学博士(パリ第1大学)。専門はフェミニズム哲学。シカゴ大学准教授、イエール大学准教授を経て、現在はベルリン自由大学准教授(実践哲学)。本書の英語版はプリンストン大学出版から2023年1月に刊行。次作La Conversation des sexes: Philosophie du consentement (Flammarion, 2021) の英語版はハーバード大学出版から刊行予定。
横山安由美
よこやま・あゆみ
立教大学教授。東京大学文学部フランス語フランス文学専修卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了、博士(文学)。著書に『世界文学の古典を読む』(共著、NHK出版)、訳書にF・エリチエ『男性的なもの/女性的なもの I 差異の思考』(共訳、明石書店)、『詩人クリスティーヌ・ド・ピザン』(共訳、思潮社)、『西洋中世奇譚集成 魔術師マーリン』(講談社学術文庫)、『アベラールとエロイーズ 愛の往復書簡』(共訳、岩波文庫)などがある。
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