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庭のかたちが生まれるとき

¥2,860 税込

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徹底的に庭を見よ!
作庭現場のフィールドワークから、庭の造形を考え、庭師の生態を観察し、庭のなりたちを記述していく、新感覚の庭園論がここに誕生!

庭師であり美学者でもあるというユニークなバックグラウンドを持つ注目の研究者・山内朋樹の待望の初単著。


庭を見るとき、わたしたちはなにを見ているのか?
庭をつくるとき、庭師たちはなにをしているのか?
そもそも、庭のかたちはなぜこうなっているのか?

本書は庭師であり美学研究者でもある山内朋樹が、
京都福知山の観音寺を訪ね、その大聖院庭園作庭工事のフィールドワークをもとに、庭のつくられ方を記録した「令和・作庭記」である。

庭について、石組について、植栽について、空間について、流れについて、部分と全体について……
制作のプロセスを徹底的に観察するとともに、その造形(かたち・構造)の論理を分析し、「制作されるもの」と「制作するもの」の間に起きていることを思考する。ミクロの視点で時間軸を引き伸ばしながら、かたちが生まれるその瞬間を丹念に解読していく、他に類を見ない新しい「制作論」。

本書を読んだ後には、これまで見ていた庭や、木々や、石や、そして景色の見え方が変わって見える!

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千葉雅也氏(哲学者・作家)推薦!
庭の見方をガラリと変えてくれる画期的な庭園論であり、すごく応用の利く本だと思う。「ひとつ石を置き、もうひとつをどう置くか」というのは、絵画の話でもあるし、音楽でも料理でも、会話術でもビジネス術でもあるからだ。
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 庭は石や植物や地形といった、さまざまな物体が配置された姿かたちとしてそこにあり、すべてはあからさまに見えている。しかし庭はすでに完成しているのだから、なぜ石がこのように置かれているのか、なぜ木があのように生えているのか、なぜこれらの物体の配置がこうなっているのか、その判断のひとつひとつの機微を理解するのは難しい。
 たしかに見えているものから推測するのも面白い。とはいえ目の前の庭を丹念に見つめてもなおこう言うことができる。この石はなぜこの姿で置かれたのか? なぜこの配置になっているのか?
 この根拠への遡行を止めるために必要なのはおそらく、物体の配置の理由それ自体を、物体の配置そのもののなかに見ること、あるいは物体の配置の生成プロセスのなかに見ることだ。「浅めることでも理解する」とはそういうことだ。
 もちろんかたちの生成は複雑な意図や図像的な解釈や歴史的経緯とも絡みあっている。それらを捨て去るわけではない。しかしその奥へと理由をかき分けていくのではなく、それらをもう一度この浅さの上にもたらすことだ。身も蓋もないこの浅さに、あるいは浅はかさに。
(「はじめに」より)


目次

はじめに——ぼくが庭のフィールドワークに出る理由

第1章 石の求めるところにしたがって〈庭園の詩学①〉
 1 ただの石から見られる石へ
 2 つくる行為をうながすもの
 3 他性の濁流をおさめる

第2章 集団制作の現場から〈庭師の知恵①〉
 1 不確かさのなかでともに働く
 2 設計図とはなにをしているのか?

第3章 徹底的にかたちを見よ〈庭園の詩学②〉
 1 石と石とが結びつくとき
 2 意図しないものの蓄積とパターン
 3 あってないような庭とありてある庭

第4章 物と者の共同性を縫い上げる〈庭師の知恵②〉
 1 バラバラの物をDIYで結びつけよ
 2 庭師の知恵と物騒な共存
 3 物と踊る技術

第5章 庭をかたちづくるもの〈庭園の詩学③〉
 1 造形的達成はどこからやってくる?
 2 石をかたづけるときに起こること
 3 質的飛躍と作庭の終わり

おわりに——フィールドワークは終わらない



PROFILE
山内朋樹(やまうち・ともき)
1978年兵庫県生まれ。京都教育大学教員、庭師。専門は美学。在学中に庭師のアルバイトをはじめ研究の傍ら独立。庭のかたちの論理を物体の配置や作庭プロセスの分析から明らかにするフィールドワークをおこなっている。共著に『ライティングの哲学』(星海社、2021年)、訳書にジル・クレマン『動いている庭』(みすず書房、2015年)。

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