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七年の最後
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書かないことで文学を生き抜いた詩人、白石(ペクソク)
北朝鮮で詩人としての道を断たれた白石の後半生を、現代韓国文学を代表する作家がよみがえらせた長篇作。
許筠文学作家賞受賞作
「あなた、もう死んだ人。
その冬の谷間であなたも凍りつき、あなたの歌も凍りついた。
でも、春に私はたしかに聞いた。あなたの歌を——」
望んだけれど叶わなかったこと、
最後の瞬間にどうしても選択できなかったこと、
夜な夜な思い出されることは、ことごとく物語になり小説になる。
「夜は昼のように、昼は夜のように。水は火のように、火は水のように。
悪が善になり、善は悪になる。
その廃墟を見つめること、それが詩人のすること——」
伝説の天才詩人、白石が筆を折るまでの七年間
[目次]
一九五七年と一九五八年の間
創作不振の作家たちのための自白委員会
私たちがこの世の果てだと思っていたところ
無我に向かう公務旅行
七年の最後
著者について
キム・ヨンス(金 衍洙)
1970年、慶尚北道金泉生まれ。成均館大学英文科卒業。
1993年、詩人としてデビュー。翌年、長編小説『仮面を指差して歩く』を発表。
『七番国道』『二十歳』『グッバイ、李箱』『僕がまだ子どもだった頃』『愛だなんて、ソニョン』『ぼくは幽霊作家です』『君が誰であろうと、どんなに寂しくても』『波が海のさだめなら』などの話題作を次々と発表。
韓国現代文学の第一人者と評され、『ぼくは幽霊作家です』で大山文学賞、『七年の最後』で許筠文学作家賞、ほかに、東仁文学賞、黄順元文学賞、李箱文学賞など数多くの文学賞を受賞。
邦訳書に、『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、『世界の果て、彼女』『ワンダーボーイ』『ニューヨーク製菓店』(クオン)、『四月のミ、七月のソ』『波が海のさだめなら』(駿河台出版社)、『皆に幸せな新年・ケイケイの名を呼んでみた』(トランスビュー)、『目の眩んだ者たちの国家』(共著、新泉社)。
橋本 智保(ハシモト・チホ)
1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。
訳書に、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』(新泉社)、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(新泉社)、鄭智我『歳月』(新幹社)、李炳注『関釜連絡船(上・下)』(藤原書店)、朴婉緒『あの山は、本当にそこにあったのだろうか』(かんよう出版)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(書肆侃侃房)、ハン・ジョンウォン『詩と散策』(書肆侃侃房)、ソン・ボミ『小さな町』(書肆侃侃房)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)など。
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