新ウェブストアがオープンしています。
こちらのストアにて公開していたほぼすべての商品を移行してあります。
ここで買えるのはTシャツなどのグッズのみです。
-
朝、空が見えます
¥1,870
SOLD OUT
歌人・東直子さんの初めての「詩集」をナナロク社から刊行いたします。 1日1行、365日の朝の空を綴った詩に、横山雄さんの線画が彩る一冊です。 「東京の冬は晴れた日が多いんだな、と、東京に来たばかりのころ思って、それは何度も思って、そして今日も思いました。晴れています。」(本文より) 【本書について(あとがきより)】 2017年1月1日から12月31日まで、Twitter(現在はX)に毎朝、「おはようございます」から始まる一文を投稿し、その日の空の様子を言葉で伝えていました。(中略)太陽をひとまわりしながら眺めた早朝の空です。 著者プロフィール 東 直子 (ヒガシ ナオコ) (著/文) 歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。
-
気がする朝
¥1,870
SOLD OUT
『肌に流れる透明な気持ち』、『満ちる腕』(ともに短歌研究社刊)の伊藤紺さんの第3歌集をナナロク社から刊行いたします。 【著者より】 12月、ナナロク社より 3冊目の歌集『気がする朝』を刊行します。 掲載歌は102首。 その半分以上がまだどこにも出ていないあたらしい歌です。 2023年はわたしにとって、 もっとも短歌と向き合う年になりました。 歌のひとつひとつに今までなかった発光を感じ、 これが、自分の光なんだと気付きました。 この本を書けたこと、一生誇りに思う。 わたしの最高傑作です。 伊藤 紺 【収録歌より7首】 親しい会話がしたい 水のペットボトル持って 好かれてるに決まってて 駅まではいつもぴったり8分であなたに会わなくなってから2年 この人じゃないけどべつにどの人でもないような気がしている朝だ さみしくはないけど一人暮らしのこんなにも小さな燃えるゴミ 海を見た日は胸に海が残ること ふつうに人を信じてること その曲が始まるとみんな喜ぶというよりすこし美しくなる 僕らいっせいに喜び合って生きものは愚かなほうがきれいと思う 著者プロフィール 伊藤 紺 (イトウ コン) (著/文) 1993年生まれ。歌人。2019年『肌に流れる透明な気持ち』、20年『満ちる腕』を私家版で刊行する。22年両作を短歌研究社より新装版として同時刊行。23年脇田あすか、穂村弘、坂巻弓華との展示「ことばとえの4人」(OFS GALLERY)ほか、NEWoMan新宿ショッピングエリアでのコラボ特別展示「気づく」など。
-
イエルバブエナ
¥1,375
SOLD OUT
原題:Yerba Buena その香りが、その空間が、そのひとときが、わたしを癒してくれる。 傷ついても、過去に囚われても──── サラは衝撃的な別れをきっかけに、16歳で家から逃げ出した。 向かった先はロサンゼルス。懸命に自立を目指し、数年後に人気のバーテンダーとなった。 エミリーは将来のプランが定まらず、自信が持てない大学生。 フラワーアレンジメントの仕事で訪れたレストラン<イエルバブエナ>で、 バーテンダーたちにカクテルの作り方を教えていたサラと出会う。 ふたりは惹かれ合うが、トラウマや家族のしがらみ、喪失の記憶に囚われてしまう。 心の傷と向き合い、前に進むために必要なものは何か。 もがきながら自分の道を見つけるふたりの女性のラブストーリー。 【レビュー】 作り込まれたカクテルのように、さまざまな香りがじわじわと花ひらく……あらゆる感覚に訴えかける、細部まで色鮮やかなごちそうだ。・・・・・・ラクールの技がまぶしい・・・・・・ほろ苦さ、しょっぱさ、甘さが一気に押し寄せる。 ――ニューヨークタイムズ・ブックレビュー 『イエルバブエナ』は、現代の複雑な愛についての考察である……サラとエミリーを苦しめるトラウマ、そして彼女たちの希望と回復が、穏やかで優しさに満ちた目で観察され、静かな散文に見事に表現されている……登場人物が魅力的な美しいフィクションだ。完璧なカクテルのように、飲み終わった後もずっと、記憶に残るだろう。 ――サンフランシスコ・クロニクル 『イエルバブエナ』はご褒美のようで慎ましく、親密なのにとらえどころがない、これらが完璧に調和し素敵な香りが漂います。ミステリアスで魅力的なだれかがミックスした、見事なカクテルのよう。大切な作品です。 ――ケイシー・マクイストン ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー小説『One Last Stop』、『赤と白とロイヤルブルー』著者 あなたの心が抱える真実と、あなた自身を守るための嘘。あなたを築いた道と、あなた自身が築く道。立ち止まることと、修復すること。本書はこれらのことが描かれた、極上の物語です。ニナ・ラクールは、彼女にしかできないやり方で、心を満足させ、感動的で、ずっと記憶に残るラブレターを書いたのです。人生のあらゆる“はじまり”へのラブレター。ほんとうに美しい。 ――コートニー・サマーズ ニューヨークタイムズ・ベストセラー小説『Sadie』、『ローンガール・ハードボイルド』著者 ■著者 ニナ・ラクール Nina LaCour マイケル・L・プリンツ賞などの受賞歴のあるベストセラー作家。 『WE ARE OKAY』などヤングアダルト小説を発表(すべて未邦訳)。 本作は著者初の大人向けの作品である。サンフランシスコに妻と娘と暮らす。 ■訳者プロフィール 吉田育未(よしだ・いくみ) 英日翻訳者。 エマ・ドナヒュー『星のせいにして』(河出書房新社)、『聖なる証』(オークラ出版)、 絵本『ちいさなあおいトラックのリトルブルー』シリーズなど訳書多数。 佐賀県出身。トロント大学修士。 引っ越しが多く、原作初読時は東京、 翻訳作業中はカナダアルバータ州、刊行時は香港に暮らす。
-
「能力」の生きづらさをほぐす
¥2,200
SOLD OUT
生きる力、リーダーシップ力、コミュ力… ◯◯力が、私たちを苦しめる。 組織の専門家が命をかけて探究した、他者と生きる知恵。 前職では「使えない」私が、現職では「優秀」に。 それって、本当に私の「能力」なの? 移ろいがちな他人の評価が、生きづらさを生み出す能力社会。 ガン闘病中の著者が、そのカラクリを教育社会学と組織開発の視点でときほぐし、 他者とより良く生きるあり方を模索する。 ―朝日新聞「タイパ社会」特集ほかメディアで話題!――――― 「能力論の新しい地平をひらいた、学術的にみても優れた本だと思います」 大学時代の師 苅谷剛彦さん(オックスフォード大学教授) 「『能力』にすがってしまうのは、 不確定な人生を少しでも確かだと思いたい、 私たち人間の弱さゆえなのでしょう」 執筆伴走 磯野真穂さん(人類学者) 「俺にケンカ売ってんの? 君いい度胸してるな」 ケンカするほど仲のいい先輩 山口周さん(独立研究者・著作家) 「自己否定しないで前に進んでいくことを大切にしてほしい」 女優・作家・歌手 中江有里さん(NHKラジオ第1「マイあさ!」より) 「人間の能力と適性は多様であり、それを数値化して比較すること自体が、一つの物語に過ぎない」 作家 佐藤優さん(毎日新聞2023年3月11日付読書面より) 「本書のメッセージが伝わったその先には、きっと今とは少し違う、もっと生きやすい社会が広がっていくはずだ」 代官山 蔦屋書店 人文コンシェルジュ 宮台由美子さん(集英社「yoi」より) 「『能力』は正当性をまとう。能力が足りないのは自己責任、必要な能力を獲得すべく精進しなくては……と追い立てられる日々に待ったをかけるのが本書だ」 日本経済新聞書評(2023年2月18日付朝刊読書面より) ―――――――――――――――――――――――― 職場や学校、家庭で抱えるモヤモヤを なかったことにしたくないすべての人へ 「行きすぎた能力社会じゃ、幼い子どもを残して死にきれない!」 ガン闘病中の著者が贈る、まさかのストーリー。 ――ときは、2037年。急降下した 上司の評価で病める息子を救うため、 死んだはずの母さんがやってきた!? 「人事部が客観性の根拠として、人材開発業界を頼っているわけだね。 ふむ、とすると、『能力』なんて幻とかなんとかうそぶきながら、それを飯のタネにしてきたのは、やはり母さん、あなたのいた業界じゃないか。」(本文より) 執筆に伴走した、磯野真穂さん(人類学者)も言葉を寄せる。 目次 はじめに プロローグ 母さん、僕は仕事のできない、能力のないやつですか? 第1話 能力の乱高下 第2話 能力の化けの皮剝がし―教育社会学ことはじめ 第3話 不穏な「求める能力」―尖るのを止めた大学 第4話 能力の泥沼―誰も知らない本当の私 第5話 求ム、能力屋さん―人材開発業界の価値 第6話 爆売れ・リーダーシップ―「能力」が売れるカラクリ① 第7話 止まらぬ進化と深化―「能力」が売れるカラクリ② 第8話 問題はあなたのメンタル―能力開発の行き着く先 第9話 葛藤をなくさない―母から子へ エピローグ 母さん、ふつうでない私は幸せになれますか? 伴走者からの言葉 磯野真穂 おわりに 著者プロフィール 勅使川原 真衣 (テシガワラ マイ) (著) てしがわら・まい:1982年横浜生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。BCG、ヘイ グループなど外資コンサルティングファーム勤務を経て独立。2017年に組織開発を専門とする、おのみず株式会社を設立し、企業はもちろん、病院、学校などの組織開発を支援する。二児の母。2020年から乳ガン闘病中。 磯野 真穂 (イソノ マホ) (執筆伴走) いその・まほ:人類学者。専門は文化人類学、医療人類学。2010年早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。早稲田大学文化構想学部助教、国際医療福祉大学大学院准教授を経て2020年より独立。 著書に『なぜふつうに食べられないのか-―拒食と過食の文化人類学』(春秋社)、『医療者が語る答えなき世界――「いのちの守り人」の人類学』(ちくま新書)、『ダイエット幻想――やせること、愛されること』(ちくまプリマ―新書)、『他者と生きる』(集英社新書)、共著に『急に具合が悪くなる』(晶文社)がある。本作では、著者の執筆に伴走し、言葉を寄せる。 Kindle→https://amzn.to/48nEPP1
-
こころはひとりぼっち
¥1,540
SOLD OUT
最後に会って3カ月 別れの手紙から1カ月が経った パートナーとの関係を解消してからの数カ月の日記 友人・碇雪恵による寄稿も 目次 8月1日〜8月10日 毎日さびしい。毎日つらい。 9月11日〜9月20日 今はひとりでいることに挑戦しているのだ。 10月20日 誰かひとりでも、いてくれたらいいのだけど。 寄稿 ひとりぼっちじゃない 碇雪恵 『こころはひとりぼっち』 2023年12月10日初版発行 2023年12月15日二刷発行 著者 植本一子 寄稿 碇雪恵 題字 華雪 校正 藤本徹 協力 柴山浩紀 装丁 川名潤 感謝 ソフィ・カル 中園孔二 印刷 モリモト印刷株式会社 ※帯は3種類がランダムで届きます ※帯は手巻きのためズレはご容赦ください
-
ポップ・カルチャー批評の理論
¥3,520
SOLD OUT
現代の知を読み解く カルチュラル・スタディーズ マルクス主義から精神分析、構造主義、ジェンダー研究、ポストモダンまで、 現代思想を通して理解できる。 英米文学、コミュニケーション学、社会学、言語文化論を学ぶ学生に最適! 英国カルチュラル・スタディーズ大家による世界的ベストセラー、待望の翻訳書刊行! 目次 日本語版の出版によせて 第一章 ポピュラー・カルチャーとは何か? 第二章 「文化」と「文明化」の伝統 第三章 文化主義からカルチュラル・スタディーズへ 第四章 マルクス主義の流派 第五章 精神分析 第六章 構造主義とポスト構造主義 第七章 階級と階級闘争 第八章 ジェンダーとセクシュアリティ 第九章 「人種」、人種差別と超越的表象 第十章 ポストモダニズム 第十一章 ポピュラー・カルチャーの物質性 第十二章 ポピュラーの政治学 訳者あとがき 著者プロフィール ジョン・ストーリー (ジョンストーリー) (著/文) John Storey 英国サンダーランド大学名誉教授及び前同大学メディア・アンド・カルチュラル・スタディーズ研究所長/メディア及びカルチュラル・スタディーズ。 カルチュラル・スタディーズ研究者を中心に30冊の著書があり、近著にはRadical Utopianism and Cultural Studies 2019, Consuming Utopia: Cultural Studies and the Politics of Reading 2021, Consumption 2022がある。 鈴木 健 (スズキ タケシ) (翻訳) 南カリフォルニア大学客員教授及びケンブリッジ大学客員研究員を経て、現在、明治大学情報コミュニケーション学部教授。ノースウエスタン大学よりコミュニケーション学博士(PhD)/メディア批評及びカルチュラル・スタディーズ。 主な編著書に(共編)『説得コミュニケーション論を学ぶ人のために』2009年, (共編)『パフォーマンス研究のキーワード』2011年, The Rhetoric of Emperor Hirohito: Continuity and Rupture in Japan's Dramas of Modernity. 2017年, The Age of Emperor Akihito: Historical Controversies over the Past and the Future 2019年, Political Communication and Argumentation in Japan 2023年、翻訳書に(共訳)『議論学への招待ー建設的なコミュニケーションのために』2018年がある。財部剣人のペンネームで『マーメイドクロニクルズ 第二部 吸血鬼ドラキュラの娘が四人の魔女たちと戦う刻』を2021年出版。 越智 博美 (オチ ヒロミ) (翻訳) 専修大学国際コミュニケーション学部教授 。お茶の水女子大学より人文科学博士号取得/アメリカ文学・文化。主著書に、『カポーティ――人と文学』(勉誠出版)、『モダニズムの南部的瞬間―アメリカ南部詩人と冷戦』(研究社)、編著として『ジェンダーから世界を読むII』(中野知律との共編著、明石書店)、『ジェンダーにおける「承認」と「再分配」――格差、文化、イスラーム』(河野真太郎との共編著、彩流社)。その他に、 “Translations of American Cultural Politics into the Context of Post War Japan.” Routledge Companion to Transnational American Studies edited by Nina Morgan, Alfred Hornung and Takayuki Tatsumi, Routledge, 2019、訳書としてコーネル・ウェスト『民主主義の問題』、(共訳、法政大学出版会、2014)、ジュディス・バトラー『問題=物質となる身体』(共訳、以文社、2021)など。
-
体罰と日本野球
¥2,750
SOLD OUT
部活動など、日本のスポーツにおける体罰の問題が絶えない。厳しい上下関係を背景に、指導の名のもとに繰り返される暴力。こうした歪な状態はいつ発生し、なぜ広がっていったのか。日本の代表的スポーツである野球の歴史をたどりながら、膨大な史料を駆使し実証的に考察。体罰なきスポーツ界の実現へ向け具体的に提言する。 目次 序 章 体罰の減らないスポーツ界 第Ⅰ部 体罰発生以前の日本野球 第一章 野球部活動の発生と制裁――明治期の一高野球と早慶野球部 1 日本野球の発祥と一高 2 一高から早慶へ 3 一高と「制裁」 第二章 野球部の拡大と部員の関係――中等学校の成立と学生野球の組織化 1 中等学校の整備と学業・健康 2 中等学校野球部の成立と拡大 3 対外試合と野球大会 第Ⅱ部 体罰の発生と拡大 第三章 野球の「近代化」と体罰の発生――大正期の構造転換 1 甲子園・六大学野球の成立 2 野球を通じた進学・就職 3 野球の活発化と強固な上下関係 4 体罰の発生 5 戦時下の野球の終焉 第四章 戦後野球の拡大と激化・日常化する体罰――学生・社会人・プロへ 1 戦後野球の復活と軍隊経験 2 高校野球と体罰の日常化 3 プロ野球と社会人野球 4 野球以外の種目における体罰の発生と拡大 5 体罰の問題化と不十分な対処 6 大学スポーツの構造的変化と体罰の減少 終 章 体罰なきスポーツ界の実現に向けて あとがき 注 引用・参考文献
-
紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」
¥1,980
SOLD OUT
『源氏物語』の作者・紫式部の肉声が甦る。一千年を繋ぐ魂のトリビュート。 クリスチャン暦なら最初のミレニアムを迎えた少し後、里帰り中の一条天皇の后が臨月を迎えた。その父で朝廷の最高権力者・藤原道長を始め、皆が固唾を飲んで見守る中、后に仕えるわたしはなぜか感傷的(ブルー)で、グルーミィ。そのわけをあなたにお伝えします――2024年大河ドラマで大注目、世界的文学を書いた当時の最先端女性のすっぴんダイアリーを、現代の「同業者」がリ・リリース! Kindle→https://amzn.to/3GQACaH
-
IMONを創る
¥1,980
SOLD OUT
◆◆◆『ぼのぼの』、『I【アイ】』、『誰でもないところからの眺め』のいがらしみきおによる、幻の予言的文明論にして不朽の人間哲学、30年の時を経て復刊!◆◆◆ 80年代末から90年代初頭にかけて雑誌『EYE・COM』(アスキー)で連載され、1992年に書籍化されたいがらしみきおの長篇エッセイ『IMONを創る』。 「人間のためのOS(オペレーティング・システム)」である「IMON」=「いつでも・もっと・おもしろく・ないとなァ」の構築を目指して書かれた本書は、著者の作品群を貫く思想と人間観が凝縮された一冊でした。 その刊行から30年後の現在、一人一台スマートフォンを持っているのが当たり前のSNS社会の風景は、『IMONを創る』で予言されていた世界像そのもの。 驚くべきはその予見の精確さだけではなく、そこで提唱された「IMON」というOSのアイデアが、AI産業の隆盛により人間というものが急速に相対化されつつある現代において、それでも人間が人間として、いつでも・もっと・おもしろく生きていくために、より刺激的かつ有効なものとなっていることです。 前世紀最大の奇書であり、精確な思考が現実の未来を射抜いた驚異の予言書であり、人間世界の「ぜんぶの解説」とも言うべき本書を、著者自身の新しいあとがきと、本書の熱読者である作家・乗代雄介氏による解説を付し、復刊します。 目次 まえがきマンガ 5 第1部 IMON創世記 TRONより早く実現するかもしれないユーザー側のOSを考案 8 5年のキャリアをもつ、IMONプロジェクトの人工無脳とは? 14 コンピューターは生き物か? アイデンティティーを与える 19 アメリカのコンピューター事情(?)を探ってきた成果は? 24 TRON住宅より早く完成した“IMON住宅”。その住み心地は? 30 矛盾がでてきてしまったIMONの“生き物理論”。その結果は? 35 コンピューターの新呼称キャンペーンを大展開。IMON第一部完 40 第2部 オタクから超常現象へ テーマ形式に変更した第2部。今回はオタクについて 46 メディアのディスプレー化で誕生したオタク層。断絶した世界を行く 51 ニッポン全国総オタク時代。オタクを笑うもの、オタクに泣く! 56 “オタク”、このテーマも今回が最後。問題点を総括した結論とは? 61 理論は不確定なものである。“超常現象”により覆される二値理論!? 67 ビッブにおいても超常現象はあるか? 実験を行なうIMON 72 ビッブに超常現象はないとするIMON。新たな事実が生まれるか? 77 『ふたりのビッブナイト』譜面 82 第3部 IMON3原則に迫る “いつでももっとおもしろくないとな”がモットー。第3部の開始だ 84 アナタは円周率を何ケタまで覚えてますか? 今回は数学的に迫る 90 聖書のように、マカズ、カラズ、クラニオサメズには生きていけない 96 プログラム言語Idaによって明らかにされる“マルチタスク” 102 IdaによってかかれたふたつのOS、I-IMONとG-IMON 108 儀礼と定型をつかさどるだけではないOS、G-IMONとはなにか? 114 一般の人にとってのG-IMON、表現とはなんだろうか? 120 今回は方程式を使って解説をするIMONの3原則“(笑)”の項 126 IMONの3原則“(笑)”を科学的に現象学で立証してみる 132 IMONの3原則“(笑)”最終回。『IMONを創る』第3部終了 138 IMON認定ソフト第1弾『トーキングぼのぼの』 144 第4部 IMONとパソコン通信 人間としてのアイデンティティーを消去させられるパソコン通信とは 146 パソ通は、アイデンティティーを剥奪されたものの上に成立する!! 152 パソコン通信について語るのも、これが最後なのだ!! 158 ハードについて考える。第1回を振り返ってみてほしい 164 ソフトウェアが進む“便利へ”と“快楽へ”のベクトル 170 IMON認定ソフト第2弾『BBSちゃん』 176 第5部 ビッブの教育と未来 IMON、最終章の(?)第5部に突入だ! 178 ビッブが言葉に意味を与えたとき、もうひとりの自分が出現する! 184 ビッブを教育するという立場から、人は決して逃れえないのだ 190 “宗教なしで人間的生活を営むことは可能か否か”を解き明かす! 196 IMONのリアルタイムやマルチタスクを実現できる唯一の国 202 『IMONを創る』は終わるが、IMONの歴史はこれから始まる! 208 その後のIMON 214 「その後のIMON」のあと 216 解説 私と『IMONを創る』の二十年 乗代雄介 222 著者プロフィール いがらしみきお (イガラシ ミキオ) (著/文) 1955年宮城県中新田町(加美町)に生まれる。24歳で漫画家デビュー。代表作に「あんたが悪いっ」(1983年漫画家協会賞優秀賞)、「ぼのぼの」(1988年講談社漫画賞)、「忍ペンまん丸」(1998年小学館漫画賞)、「I(アイ)」、「羊の木」(2015年文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞)、「誰でもないところからの眺め」(2016年漫画家協会賞優秀賞)など。現在「ぼのぼの」がフジテレビ系列でアニメ放映中。仙台市在住。
-
『ベイブ』論、あるいは「父」についての序論
¥1,200
SOLD OUT
著:柿内正午 幼少期に自身を魅了した映画を、大人になったいま観返すこと。そのなかで得た直観は、ここにありえたかもしれない現在の「父」の姿が予感されている、というものだった。いまだこの国に蔓延る家父長制の粉砕を夢見るとき、自身をフェミニストと自認しすこしでもマシな実践を模索するとき、「父」なるものの有害さばかりが意識され、「男らしさ」をそのまま悪なるものと断じてしまいたくなる。しかし現状を確認したときにすぐさま気がつくのは、打倒すべき「父」なるものはすでに失効しており、ただ構造としての家父長制だけが残置されているということである。産湯と共に赤子を流すというが、むしろ「よき父」という赤子だけが流されてしまい、居残った臭い産湯が「男」の本質であるかのように捉えられているのが現在の状況ではないだろうか。(…) では、「父」においてよきものとは何か。僕はこの問いを前に長年立ちすくんでいた。そのようなものが果たしてあるだろうか。「男」とは乱暴で汚らしいものでしかないではないか。内面化したミサンドリーに阻まれて、自身の性と向き合うことはなかなかに困難であった。そんななか、『ベイブ』を再発見したのである。当然、飛躍である。本稿は、映画論を方便としたごきげんな男性論の試みでもある。 (「はじめに」より)
-
ナショナリズムとセクシュアリティ 市民道徳とナチズム 文庫
¥1,760
SOLD OUT
何がリスペクタブルな振舞か。ナチズムへと至る国民主義の高揚の中で、性的領域も正常/異常に分けられていく。セクシュアリティ研究の先駆的著作。 === 18世紀の宗教復興とフランス革命を経て、西洋では「礼にかなった」作法を重んじる市民的価値観が浸透していった。リスペクタブルか否か? その問いかけはセクシュアリティをも正常/異常に区分し、国民主義と結びついて社会の管理・統制を強化した。逸脱行為と見なされた同性愛や売春は社会秩序を乱すものとされ、自制する「男らしさ」と、性欲を排した男同士の友情が市民道徳の基盤となっていく──。宗教、医学、芸術、性別分業、人種主義などの諸要素が絡まり合って作用し、市民的価値観と国民主義が手を取り合ってナチズムへ至る道が鮮やかに描き出される。文庫化にあたって、心理学者メアリー・ルイーズ・ロバーツによる新たな解説を付した。 === 「正常な性意識」が、ナチズムを支えた―― セクシュアリティ研究と歴史学を結んだ先駆的名著 === 目次 第1章 序論 国民主義と市民的価値観 第2章 男らしさと同性愛 第3章 身体の再発見 第4章 友情と国民主義(ナショナリズム) 第5章 どんな女性? 第6章 戦争と青年と美しさ 第7章 血と性――アウトサイダーの役割 第8章 ファシズムとセクシュアリティ 第9章 結論――万人の道徳 モッセ著作集版解説(メアリー・ルイーズ・ロバーツ) 一九九六年の訳者あとがき(佐藤八寿子) 訳者解題(佐藤八寿子) 原註 人名索引 著者プロフィール ジョージ・L・モッセ (ジョージ モッセ) (本文) ジョージ・L・モッセ(George L. Mosse):1918‐99年。ベルリン生まれ。ウィスコンシン大学・ヘブライ大学名誉教授。専門はドイツ社会史。1933年ナチスの迫害を逃れて亡命。37年ケンブリッジ大学入学。39年にアメリカ移住後、ハーヴァード大学で博士号を取得。著書に『大衆の国民化』『英霊』(ともにちくま学芸文庫)などがある。 佐藤 卓己 (サトウ タクミ) (翻訳) 佐藤卓己(さとう・たくみ):1960年生まれ。京都大学大学院教育学研究科教授。 佐藤 八寿子 (サトウ ヤスコ) (翻訳) 佐藤八寿子(さとう・やすこ):1959年生まれ。Kollegium Kyoto代表。
-
アイヌもやもや
¥1,760
SOLD OUT
【漫画『ゴールデンカムイ』の監修にも参加!北原モコットゥナシがアイヌをとりまくもやもやを丁寧に解説】 日本の民族的マイノリティであるアイヌ。北海道が舞台のドラマでもその姿を目にすることはめったになく、教科書に載っているのも民族衣装を着た姿ばかり。非アイヌにとって、今を生きるアイヌの姿は、まるで厚い「もや」の向こう側にあるかのようです。アイヌは、どんなことに「もやもや」を感じているのか? その「もやもや」はどこから来るのか? 無知・無理解や差別の構造、そしてマイノリティとマジョリティの関係など、北原モコットゥナシが様々な視点から考察してゆきます。 【アイヌが感じている「もやもや」を、田房永子が漫画で表現!】 母からの過干渉への葛藤や男性を中心に回る社会への疎外感を、鋭い視点でユーモアをもって描いてきた田房永子。本書では、アイヌが日常のなかで出会うさまざまな「もやもや」を田房氏の手によって漫画化しています。マジョリティに優位な社会の仕組みや、まわりからの無理解により、まるで虚を衝かれたような感覚に陥る瞬間など、漫画を通して感覚的に共有することができます。 <刊行に寄せて> 【北原モコットゥナシ 先生】 ※「シ」はアイヌ語小文字 「日本列島北部の先住民族」といわれるアイヌ。けれど、著者は東京都杉並区生まれのアイヌです。関東でも、北海道でも、アイヌのまわりには、いつも言葉にしにくいモヤモヤがついてまわり、視界を邪魔したり、息苦しくなったりすることも。モヤの正体を探っていくと、その向こうに、女性としてLGBTQ+として障がい者としてモヤを払う人々の姿がありました。そのお一人、田房永子 先生によって、けっして軽くはない、とらえにくいテーマを、魅力的で柔らかな絵柄とともにお伝えできることとなりました。 【田房永子 先生】 「アイヌもやもや」のお話をいただいた時は、「アイヌのことに完全に無知な私が携わっていいのだろうか」という不安がありました。 でも、北原モコットゥナシ先生の文章を読ませていただき、アイヌの人たちの視点を通して見る世界が、私が女性として生きてきた中で納得がいかなかったことと通じているところがあると知って、ぜひ漫画を描かせてもらいたいと思いました。 北原先生の文章はとても面白く分かりやすくて、無自覚だった自分のマジョリティの部分も刺激され、この社会の構造を、よりクリアに捉えることができるようになったと感じています。漫画では、東京で生まれ育ったアイヌの少年・颯太を主人公に、彼をとりまく人々を描きました。ぜひたくさんの人に読んでもらいたいです。 目次 Contents 第1章 言い出しにくいんです 第2章 差別・ステレオタイプ 第3章 アイデンティティ わたしらしさとアイヌらしさ 第4章 マジョリティの優位性 北原モコットゥナシ × 田房永子 特別対談 これまでのできごと年表 著者プロフィール 北原モコットゥナシ (キタハラモコットゥナシ) (著/文) 【北原モコットゥナシ】※「シ」はアイヌ語小文字 1976年東京都杉並区生まれ。北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授。アイヌ民族組織「関東ウタリ会」の結成に両親が関わったことで、文化復興や復権運動をはだで感じながら育つ。13歳のころ、北海道に暮らす祖母、小田トーニンテマハの影響でアイヌ語樺太方言や樺太アイヌの文化に関心をもつ。和名は北原次郎太。 田房 永子 (タブサ エイコ) (イラスト) 【田房永子】 1978年東京都千代田区生まれ。漫画家、エッセイスト。2001年、アックスマンガ新人賞佳作受賞。母からの過干渉に悩み、その確執と葛藤を描いたコミックエッセイ『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)を2012年に発行。大きな反響を呼ぶ。他にも『キレる私をやめたい』(竹書房)、『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』(上野千鶴子氏と共著、大和書房)など著書多数。
-
小学校就学サポートBOOK 障がいのある子と親のための
¥2,090
SOLD OUT
本書は、障害のある子どもが小学校に就学する時に、様々な困難を感じたり、就学先に悩んだりする親に寄り添うサポートBOOKです。 障害のある子どもが就学する時には、パートナーや行政、学校の先生など、様々な人と協力して、より良い学びの場を準備をする『就学活動』を行います。しかし、就学活動の道のりでは、慣習に沿った就学先を進められる、希望する学校に受け入れてもらえない、など思わぬトラブルに直面することがあります。この本は、そんなトラブルを事前に知り、先輩家族が実際に行った対応策を学ぶとともに、スケジュールに沿っていまやるべきToDoをひとつずつ行うことで着実に就学活動を前に進めていくことができる一冊となっています。 支援が必要な子も、そうではない子も、いつも隣にいて互いに心から笑い合える。それが当たり前で、誰もが生きやすい社会へ少しでも近づくはじめの一歩になることを願って、本書を発売いたします。 本書は、知っておきたい基本的な用語やスケジュールを学ぶ「PART1知識編」、お子さんが年中〜就学先決定までのToDoとトラブルを知り対応策を身につける「PART2実践編」、就学先決定〜入学までの小学校とのやりとりをまとめた「PART3準備編」で構成されています。また、コラムとして知っておきたい法律や障がいに対する考え方も満載。 小学校就学サポートBOOK 3つの特徴 1. 就学活動で直面するトラブルと対応策がわかる! 本書では、就学活動中に出会うかもしれないちょっと癖のある人を動物にたとえ、直面するトラブルをマンガ形式で紹介します。併せて、そのトラブルに対してこれまで就学活動を経験した先輩家族が実践した対応策=”こうしよう術”を掲載。事前にトラブルを知っておくことで、心構えと対応できる術を身につけることができます。 2. 当事者の実体験を元に年中〜年長の間のToDoがまるっとわかる! 就学活動ははじめてのことだらけ。それゆえ、これから何が起こるのか、何をすればいいのかわからないという悩みを抱える方が多いです。本書では、余裕を持って準備できる、お子さんが年中の時〜本格的に就学活動が始まる年長の時までにやるべきことをToDoとしてまとめています。それぞれのToDoでは、参考となる事例や知識を紹介します。 3. 学校を決めるための思考整理シートでお子さんに合う小学校がわかる! 就学活動で多くの方が悩むのは「自分の子どもにどの学校があっているかわからない」ということ。本書では、まず子どもの特性をや家族の考えを整理する「モヤモヤ整理シート」、学校見学時に学校の違いを比較できる「学校みくらべシート」など、学校を決めるための思考や情報の整理を助けるシートを収録。
-
自炊者になるための26週
¥2,178
SOLD OUT
さっと買って、さっと作って、この上なく幸福になれる。 「トーストを焼くだけ」からはじまる、日々の小さな創造行為。 おいしさと創造力をめぐる、全くあたらしい理論&実践の書! “面倒”をこえて「料理したくなる」には、どうしたらいいでしょう。 “ほぼ毎日キッチンに立つ”映画研究者が、その手立てを具体的に語ります。 ・大方針は、「風味の魅力」にみちびかれること。 「風味」=味+におい。自由に軽やかに、においを食べて世界と触れ合う。 そのよろこびで料理したくなる。人間のにおい解像度は犬並み? 最新の科学研究だけでなく、哲学、文学、映像論の重要テクストを手がかりに、知られざる風味の秘密に迫ります。 ・目標は、素材から出発して、ささっとおいしいひと皿が作れるようになること。 1週に1章、その週の課題をクリアしていけば、26週=半年で、だれでも、すすんで自炊をする人=自炊者になれる、がコンセプト。 蒸す、煮る、焼く、揚げる「だけ」のシンプル料理から、「混ぜる」「組み合わせる」、さらに魚をおろして様々に活用するまでステップアップしていきます。 日本酒とワインの新しいあり方、買い物や献立てに悩まないコツ、家事分担も考えます。 ・感覚を底上げする、「名曲」のようなレシピを40以上収録しています。 「ヤンソンの誘惑」「鶏肉とパプリカ」「山形のだし」「麦いかのフリット」等々、素朴だけど、素材と出会いなおすような感動のあるものばかり。古今東西の料理書を読みこんだ著者ならではのベストチョイスです。 より先へ進みたくなった人のための懇切丁寧なブックガイドつき! 目次 序 料理したくなる料理 1 においの際立ち おいしいトーストの焼き方/においの語源と「感覚順応」/バゲットを穏やかに加熱する/サワードゥを直火焼きする 2 においを食べる 米を炊く/人間の鼻もじつは犬並みにすごい説/味のちがいはにおいのちがい/ふるさとの米の風味さえも ――米を炊く(炊飯器の場合)/米を炊く(鍋の場合) 3 風味イメージ みそ汁を作る/風味は映像である/風味の分類――①風味インデックス/②風味パターン/③風味シンボル/においはへだたった時間を映す/自炊者=エアベンダー ――だしの取り方/みそ汁 4 セブンにもサイゼリヤにもない風味 ここから自炊するという線引き/セブンイレブンのおいしさ/サイゼリヤのおいしさ/規格品にはない風味の個体差とゆらぎ/青菜のお浸しは海のさざなみのように ――青菜のおひたし/一期一会のトマト・パスタ 5 基礎調味料 感動>面倒/基礎調味料の風味がベースになる/基礎調味料は費用対効果が高い/ノイズキャンセリング力を発揮する/しょうゆ選び/塩選び 6 買い物 何を買うか決められない問題/目利きはするな/専門店の先生たちの見つけ方/あなたが素材を選ぶのではなく、素材があなたを選ぶ 7 蒸す 蒸しものの準備/皮付き野菜を蒸して香りを楽しむ/魚の蒸しもの ――いろいろ野菜の蒸籠蒸し/蒸し野菜のべっこう餡かけ/バーニャカウダ/ひき肉ソース/たちうおの清蒸 8 焼く 肉の焼き目のにおいはどうしてたまらないのか/グラデーションをつけて焼く/ステーキ肉を焼く/フッ素樹脂加工か鉄か/焼き方は人となりを映す/オムレツの焼き方/「ひとり料理の喜び」 ――ステーキ 9 煮る シンプルでおいしい野菜のポタージュ/水に風味とうまみを移す/スープの塩分濃度は0・6%から/野菜のかたちを残すポタージュ/含め煮――調味だしは20:1:1から ――野菜のポタージュ(攪拌する)/野菜のポタージュ(かたちを残す)/調味だし/含め煮/ふきの含め煮/おひたし(アスパラガス、ズッキーニなど)/菊の花のおひたし 10 揚げる、切る 家であえて揚げものをする理由/バットが三つありますか?/春巻き/麦いかのフリット/包丁の使い方にどう慣れるか/作業の進行を直感的にイメージできるようになる ――牡蠣フライ/牡蠣の春巻き/麦いかのフリット 11 動線と片付け 片付けの意義/台所のうつくしさ/プライムスペース/揃えるべきキッチンツール/キッチンは風味の通路 12 カイロモン 風味は誘惑の信号である/カイロモンは他種を誘惑するにおい/変化それ自体がよろこび/F感覚とC感覚 ――おでん 13 日本酒 良質な食中酒は自炊を底上げする/アテ化によってシンプル料理が極上に/酒はパスポート/ベーシックな日本酒とは/先生を見つけ、入門用の酒を選ぶ/燗をつけてみる ――シンプルなアテいろいろ/お燗 14 ワイン 面倒ではないワイン/自炊のためのワイン保存システム/「自然な造りのワイン」とその歴史/インポーターで選ぶ/ワインの先生に学ぶ/ワインを買いにいきましょう 15 青魚 季節の魚の風味に触発されて/風味の喚起力は鮮度に比例する/あじといわしは最上の美味/キッチンに魚の通り道を作る/あじをさばいて食べる/青魚、絶対のふた品 ――あじのさばき方/あじのなめろう/しめさば 16 白身魚など 中型魚をさばく/フライパンでポワレにする/魚を長く多面的に味わい尽くす/生のまま魚を熟成する ――平造り、そぎ造り/白身魚のポワレ、ムニエル/ブールブランソース/焦がしバター(ブールノワゼット)/サルサヴェルデ/こんぶ締め/干物/あらのスープ/あらのだし汁で作るパエリア/白身魚の熟成 17 1+1 魚一種に野菜一種の即興料理を作ってみる/生魚のカルパッチョ+野菜/風味のモンタージュ/焼き魚+野菜/魚と野菜のスープ仕立て ――あじのカルパッチョ、ルッコラ添え/いわしの直火焼き、茹でたじゃがいも添え/フィッシュ・ベジタブル・スープ/牡蠣とぎんなんのスープ 18 混ぜる 百獣ごはん/ワンプレート・ランチ/混ぜる料理の伝統的な型/サラダうどんとそばは格別においしい ――ちらし寿司/サラダうどん、そば 19 春夏の定番レシピ 歌い継がれ愛されてきた民謡のような名レシピ/春/夏/ノー・シーズンの定番 ――あさりと豚肉のアレンテージョ風/生わかめとたけのこ/ふきのとうみそ/ラタトゥイユ/ガスパチョ/山形のだし/ピコデガヨ/生ハムとバターのバゲットサンド/干ししいたけとちりめんじゃこの炊き込みごはん 20 秋冬の定番レシピ 秋/冬/ノー・シーズンの定番 ――きのこの当座煮/きのこのにんにく炒め/ほうとう鍋/バジルペースト/さんまのわたソース/ヤンソンの誘惑/かぶと牡蠣のグラタン/焼きかぶのサラダ、かぶのソース/筑前煮/じゃがいもセロリ/鶏肉とパプリカ 21 乾物 乾物の魅力/家に常備するものリスト/塩して熟成する ――鞍掛豆のサラダ/トルティーヤ/塩もみ、浅漬け、かぶ酢/塩豚 22 発酵 発酵保存食品を自作する意味/日々の献立ての基本 ――白菜漬け/甘酒/かぶら寿司 23 うつわとスタイル なぜスタイリングによって料理はよりおいしくなるのか/練習問題/「ねばならぬ」ではなく/うつわの質感/雑多を許容する 24 ファーム・トゥ・テーブルとギアチェンジ ひとはいつから「素材を活かすべき」といい始めたのか/スローとファストのギアチェンジ/「群島としてある世界の肯定」/続・人間の鼻もじつは犬並みにすごい説/ハンバーガー ――ハンバーガー/クラフト・コーラ 25 索引と徴候 別の時空につながるにおい/索引がひらく過去、徴候が予感させる近未来/微分回路(徴候)と積分回路(索引)/風味の解像度とは/生活史を積分する/食の幸福 26 家事と環境 家事分担の不均衡/ふつうのすばらしさを再発見する/環境問題について ――赤飯 参考文献 ブックガイド 著者プロフィール 三浦哲哉 (ミウラテツヤ) (著/文) 青山学院大学文学部比較芸術学科教授。映画批評・研究、表象文化論。食についての執筆もおこなう。1976年福島県郡山市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程修了。著書に『サスペンス映画史』(みすず書房、2012年)『映画とは何か――フランス映画思想史』(筑摩選書、2014年)『『ハッピーアワー』論』(羽鳥書店、2018年)『食べたくなる本』(みすず書房、2019年)『LAフード・ダイアリー』(講談社、2021年)。共編著に『オーバー・ザ・シネマ――映画「超」討議』(フィルムアート社、2018年)。訳書に『ジム・ジャームッシュ・インタビューズ――映画監督ジム・ジャームッシュの歴史』(東邦出版、2006年)。 Kindle→https://amzn.to/41qK6TS
-
不完全な司書
¥1,870
SOLD OUT
本は違う世界の光を届ける窓 図書館は人と人の出会いの場所 司書の仕事はケアにつながる 奈良県東吉野村にひっそりとたたずむ「ルチャ・リブロ」は、自宅の古民家を開いてはじめた私設の図書館。このルチャ・リブロの司書が綴る、本と図書館の仕事にまつわるエッセイ。 人と接するのが苦手で、本という「窓」から外の世界と接してきた。そんな著者が自らの本棚を開放することで気づいた「図書館」の本質的な効用。精神疾患を抱える「支えられる立場」から、司書という「人を支える立場」になりえた体験を通じて、司書の仕事の豊かさ、奥深さ、そして本という「窓」の持つ力が伝わってくる。 読むと訪れてみたくなる、ある個性的な図書館の物語。写真・宗石佳子。 “私の来し方には、いつもそこに「本」と「生きづらさ」が座しています。自分自身の読んできたものと、読書の周辺を紐解くだけで、「この人、よく生きていたなあ」と何やら放心してしまいます。ルチャ・リブロはそんな私自身の読んできたものを開いたような場所で、だからこそ、少ししんどい状況にある人が、ふとこの場所を見つけて遠い道のりをやってきてくれるのではないかと考えています。(「まえがき」より)” 【目次】 ■1 司書席から見える風景 不完全な司書 本という窓 古い家で、いとなむこと 蔵書を開くことは、問題意識を開くこと ルチャ・リブロの一日 公と私が寄せては返す 窓を眼差した人 時間がかかること、時間をかけること 諦めた先の諦めなさ ペンケースを開け放つ 森から来た人達 知の森に分け入る 葛根湯司書 図書館への道 ルールとのつきあい方 偶然性と私設図書館 夜の海の灯り ■2 クローゼットを開いて クローゼットの番人が、私設図書館を開くまで 幽霊の側から世界を見る 当事者であること、伴走者であること 絶対あると思って探しに行かないと見つからない 探求のお手伝いが好き、レファレンスブックが好き カーテンに映る影 本と暴力と 光の方へ駆ける 窓外に見えるもの 旅路の一里塚 明るい開けた場所に出られるような言葉 ■3 ケアする読書 デコボコと富士正晴 書くことのケア性について 「分からない」という希望 生きるためのファンタジーの会 木炭で歯をみがくことと、オムライスラヂオ 私の影とのたたかい 背後の窓が開く 「土着への処方箋」のこと 「本について語り合う夕べ」のこと ■4 東吉野村歳時記 峠をのぼるひと、のぼる道 屋根からの手紙 とんどと未来 馬頭観音祭と、往来と 著者について 青木海青子(あおき・みあこ) 人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書。1985年、兵庫県生まれ。約6年の大学図書館勤務を経て、夫・真兵とともに奈良県東吉野村にルチャ・リブロを開設。2016年より図書館を営むかたわら、「Aokimiako」の屋号での刺繍等によるアクセサリーや雑貨製作、イラスト制作も行っている。青木真兵との共著に『彼岸の図書館――ぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト1~4』 (エイチアンドエスカンパニー)、単著に『本が語ること、語らせること』(夕書房)がある。 Kindle→https://amzn.to/3RI8JI8
-
世にもあいまいなことばの秘密
¥990
SOLD OUT
「この先生きのこるには」「大丈夫です」これら表現は、読み方次第で意味が違ってこないか。このような曖昧な言葉の特徴を知れば、余計な誤解もなくなるはず 「結構です」→YESNOどっち? 「それですね」→どれやねん 「この先生きのこるには」→先生! こうして誤解は広がっていく 「冷房上げてください」「大丈夫です」。言葉には、読み方次第で意味が変わるものが多々あり、そのせいですれ違ったり、争ったりすることがある。曖昧さの特徴を知り、言葉の不思議に迫ろう。 先日、パソコンで文章を書いていたときのことです。「芝居がかった」と書こうとして、「しばいがかった」と入力し、仮名漢字変換をしたところ、思いがけない変換結果が出てきました。それは「司馬懿が勝った」というものです。 一瞬戸惑いましたが、すぐに「司馬懿(しばい)」が三国時代の中国の軍師であることを思い出しました。曹操に仕え、諸葛亮孔明のライバルと紹介されることも多い人物です。「芝居がかった」とのかけ離れ具合もさることながら、「司馬懿が勝った」がそれだけで一つの文をなしていることに驚きました。しかも、まったく無意味な文ではなく、実際にありそうな状況を表しています。改めて、日本語はどういう表記をするかによって意味が大きく変わるのだなと実感しました。【本文より】 目次 1 「シャーク関口ギターソロ教室」――表記の曖昧さ 2 「OKです」「結構です」――辞書に載っている曖昧さ 3 「冷房を上げてください」――普通名詞の曖昧さ 4 「私には双子の妹がいます」――修飾語と名詞の関係 5 「政府の女性を応援する政策」――構造的な曖昧さ 6 「2日、5日、8日の午後が空いています」――やっかいな並列 7 「20歳未満ではありませんか」――否定文・疑問文の曖昧さ 8 「自分はそれですね」――代名詞の曖昧さ 9 「なるはやでお願いします」――言外の意味と不明確性 10 曖昧さとうまく付き合うために 著者プロフィール 川添 愛 (カワゾエ アイ) (本文) 川添 愛(かわぞえ・あい):1973年生まれ。九州大学文学部卒業、同大大学院にて博士号(文学)取得。2008年、津田塾大学女性研究者支援センター特任准教授、12年から16年まで国立情報学研究所社会共有知研究センター特任准教授。専門は言語学、自然言語処理。現在は大学に所属せずに、言語学者、作家として活躍する。 実績 著書に『白と黒のとびら』『自動人形の城』『言語学バーリ・トゥード』(東京大学出版会)、『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』朝日出版社、『コンピュータ、どうやってつくったんですか?』(東京書籍)『ふだん使いの言語学』(新潮選書)など。 Kindle→https://amzn.to/3thWxVa
-
群像 2024年1月号
¥1,500
SOLD OUT
文×論。 再リニューアル、群像は変容し続けます。 【新連載】 ・創作 「Wet Affairs Leaking」阿部和重 「日吉アカデミア一九七六」原武史 ・コラボ連載 往復書簡 「「宗教の本質」とは?」釈徹宗×若松英輔 【エッセイ特集】 「休むヒント。」 麻布競馬場/伊沢拓司/石井ゆかり/石田夏穂/岡本仁/角田光代/角幡唯介/くどうれいん/古賀及子/小西康陽/斉藤壮馬/酒井順子/酒寄希望/向坂くじら/佐藤良成/杉本裕孝/高橋久美子/滝口悠生/武田砂鉄/竹田ダニエル/つづ井/年森瑛/永井玲衣/蓮實重彥/平松洋子/藤代泉/古川日出男/星野博美/堀江栞/宮内悠介/宮田愛萌/吉田篤弘 【野間文芸賞・野間文芸新人賞発表】 ・第76回野間文芸賞受賞作 「恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ」川上弘美 受賞のことば / 選評(奥泉光/佐伯一麦/多和田葉子/町田康/三浦雅士) ・第45回野間文芸新人賞受賞作 「あなたの燃える左手で」朝比奈秋 「しをかくうま」九段理江 受賞のことば / 選評(小川洋子/川上弘美/高橋源一郎/長嶋有/保坂和志) ・特別対談 「小説、この不確かなもの」川上弘美×宮田毬栄 【『なれのはて』『列』W刊行記念対談】 「いま小説を書くこと」加藤シゲアキ×中村文則 【ロングインタビュー】 「批評=楽しさをもとめて。東浩紀の二十五年」東浩紀、聞き手=大澤聡 【創作】 「名前を呼ぶ」草野理恵子 【批評】 「空海」安藤礼二 【論点】 「ナラティブと言う勿れ——戦時下にスーザン・ソンタグと久能整を想うこと」波戸岡景太 【不定期エッセイ】 「いま、球場にいます」高山羽根子 【本の名刺】 『中井久夫 人と仕事』最相葉月 『トラディション』鈴木涼美 『幻日/木山の話』沼田真佑 『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』森合正範 【最終回】 「庭の話」宇野常寛 【連載・書評】 井戸川射子/松浦寿輝/上田岳弘/保坂和志/堀江敏幸/丸山俊一/新田啓子/岩内章太郎/吉岡乾/岩川ありさ/長瀬海/戸谷洋志/福尾匠/松村圭一郎/木下龍也/諏訪部浩一/青葉市子/鎌田裕樹/奈倉有里/百瀬文/東辻賢治郎/三木那由他/穂村弘/くどうれいん/石井ゆかり/山家望/一穂ミチ/中条省平
-
Casa BRUTUS 特集:新しい北欧家具
¥1,080
SOLD OUT
インテリアのスタイルとして、日本で最も人気があるのは北欧家具かもしれません。ハンス J.ウェグナーやアルヴァ・アアルトなどの名作は時を超えて確たる地位を築いています。一方で、ここ最近はデンマークの首都コペンハーゲンを中心に、北欧デザインの最新が集まるイベント『3daysofdesign』が盛り上がりを見せ、新たなブランド、ギャラリー、メディアが登場するなど、従来のイメージを刷新する”新しい北欧家具”を取り巻くシーンが生まれています。そこで、コペンハーゲンをはじめ北欧各都市のキーパーソンを取材。今日のデザインにおける必修科目と言える北欧家具、その最新事情をお届けします。 CONTENTS Features 026 新しい北欧家具 028 Nordic Brands 北欧の今を体現するブランド。 042 Inspiring Home 北欧各都市、 クリエイターの住まい。 044 ニルス・ストロイヤー・クリストファーセン(Frama) 048 ペトゥルス・パルメール(Hem) 052 クリスチャン・ハッレロード&ルクサンドラ・ハッレロード(Halleroed) 056 フィリップ・アウアベック(&Tradition) 060 オーレ・ホストボー(Dansk Møbelkunst) 064 カリ・コルクマン(Helsinki Design Week) 068 カリン・カーランダー(テキスタイルデザイナー) 072 ピーター・マーラー・ソーレンセン(PLEASE WAIT to be SEATED) 076 Printed Matter 北欧発の2つの雑誌。 078 Ark Journal(from Copenhagen) 080 The New Era Magazine(from Stockholm) Key Person シーンを牽引するキーパーソン。 082 ロッタ・アガトン(インテリアデザイナー) 084 マリア・フォーレウ(Etage Projects) 086 ユリウス・ヴァーネス・イヴァーセン(Tableau) 088 オール ザ ウェイ トゥ パリス(デザインスタジオ) 090 ユハニ・レメッティ(Gallery Lemmetti) 092 オリバー・グスタフ(Studio Oliver Gustav) 094 50 Designers 北欧を代表する50人と名作。 Regulars 014 ホンマタカシ before and after TANGE Architecture _26 山の上ホテル 019 Window on the World 成都:ザハ・ハディド・アーキテクツによる 新たなSFの聖地が誕生! 東京:ベーカリー〈アマムダコタン〉の新境地は“都市型”がコンセプト。 134 櫻井翔のケンチクを学ぶ旅。 vol.141 ウェスティン都ホテル京都 数寄屋風別館「佳水園」 138 古今東西 かしゆか商店 Buying No.68 漆椀 142 祐真朋樹 Miracle Closet No.205 水戸市民会館 163 News! on Your Fridge 〈ドルチェ&ガッバーナ〉のビジューバッグ。 〈ハーマンミラー〉とガブリエル・タンのコラボ。 171 長山智美 デザイン狩人 No.184 GINORI 1735のホームコレクション《DOMUS》。 173 レストラン予報 #121 SAAWAAN BISTRO 177 a wall newspaper ●童話作家・角野栄子の世界が詰まった、いちご色の文学館がオープン。 ●ヴィム・ヴェンダース監督の最新作の舞台は、「THE TOKYO TOILET」プロジェクト! 183 ほしよりこ カーサの猫村さん 第166回 天才美少女子役の意外な素顔とは!? 猫村さんは今月もがんばっています。 186 Chill CARS vol.78 ダイハツ ミゼットⅡ 191 Next Issue さて2024年2月号の特集は…? 192 Life@Pet VOL.254 毎日の飲み水はフレッシュ派です。 ヤンナ Kindle→https://amzn.to/3t9YhzX
-
BRUTUS 特集:おいしい、温泉。
¥840
SOLD OUT
No.998 CONTENTS features 016 石橋静河、小津映画の舞台へ。修善寺の、『お茶漬の味』。 020 特集 おいしい、温泉。 022 Sakaba & Onsen Hopping 024 長野 渋温泉・湯田中温泉 030 大分 別府温泉 036 長崎 小浜温泉・雲仙温泉 042 長野 野沢温泉 048 兵庫 城崎温泉 054 山口 長門湯本温泉 060 これから注目のおいしい温泉街。 062 文豪たちが逗留し、癒やされ、満たされた温泉と、旨いもの。 063 Book in Book 温泉通&美食家が薦める、 あの宿の、この一品。 071 ハーブガーデンや醸造施設付きも! 料理とお酒にこだわる温泉旅館&オーベルジュ。 regulars 009 Et tu, Brute? 「タッカー・カールソン」ほか 103 Brutus Best Bets 新製品情報 107 Brutus Best Beauty 注目のビューティ新製品 110 人間関係 713 写真/篠山紀信『痛みの先へ』石崎ひゅーい、崎山蒼志 112 BRUTUS WATCH ACADEMY 10 ロレックス 113 BRUTUSCOPE 「森山未來」ほか 124 BRUT@STYLE 515 せせらぎ。 128 グルマン温故知新 629 バルセロナ グロック/コングスト 130 みやげもん 403 杓子/次号予告 Kindle→https://amzn.to/3RgoFQA
-
世界 2024年1月号
¥1,045
SOLD OUT
【特集1 ふたつの戦争、ひとつの世界】 2022年2月24日、世界中が「いま、なぜ」と問うなか始まったロシアのウクライナ侵攻。その終わりはいまだ見えず、戦禍は拡大している。2023年10月7日に起こったハマスの襲撃が引き金となり、イスラエルはガザ地区への凄惨な攻撃を開始した。人質解放のための束の間の「戦闘休止」は平和に結実するのだろうか。 私たちが生きている世界では、いまも人が殺し、殺されている。その現実を直視しつつも、けっして平和をあきらめないために。停戦への道と世界のこれからを考える。 【特集2 ディストピア・ジャパン】 世界各地で戦火がやまないなか、日本はそれでも平和を享受している――。それは事実なのか? 上がらない賃金と長時間労働、ジェンダーギャップ指数125位、横行するハラスメント、G7最下位の報道の自由度、根深い外国人差別……。 同じ人間であるにもかかわらず、人間が貶められる現実が広がってはいないか。それは「平和」なのだろうか。私たちの足もとのディストピアを見つめる。 目次 ┃特集 1┃ふたつの戦争、ひとつの世界 ┗━━━╋…──────────────────────────────── 〈インタビュー〉 ガザ、人類の危機──それでも守るべき価値とは 中満 泉(国連事務次長、軍縮担当上級代表)、聞き手=国谷裕子(ジャーナリスト) 国際法と学問の責任──破局を再び起こさないために 根岸陽太(西南学院大学) この人倫の奈落において──ガザのジェノサイド 岡 真理(早稲田大学) イスラエルの焦り──この戦争に終わりはくるのか? 錦田愛子(慶應義塾大学) 正義論では露ウ戦争は止められない──ウクライナからカラバフへ、拡大する戦争 松里公孝(東京大学) 〈対 談〉 二〇二四年の世界と日本 田中 均(元外務審議官)× 佐橋 亮(東京大学) 「ふたつの戦争」と米国の世界戦略 菅 英輝(九州大学名誉教授) ┏━━━┓ ┃特集 2┃ディストピア・ジャパン ┗━━━╋…──────────────────────────────── 人間であることが困難な世界で 松村圭一郎(岡山大学) 〈インタビュー〉 反社会的で、善なるもの──いま小説を書くということ 桐野夏生(作家)、聞き手=前川仁之 〈インタビュー〉 入管はなぜ姉を同じ人間として扱ってくれなかったのか──ウィシュマさん死亡事件の真相を求めて ワヨミ/ポールニマ、聞き手=伊藤詩織 さよなら、ジャニーズ。さよなら、テレビ。──見えない再生の糸口 林 香里(東京大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆注目記事 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 宝塚の悲劇 何がカナリアを追いつめたのか 川崎賢子(文芸評論家) 大川原化工機「冤罪」事件の深層──警視庁公安部で何が 石原大史(NHK) 《新シリーズ》 〈スケッチ〉 カメレオン通り 多和田葉子(作家) 《新シリーズ》 〈夜店〉 歴史学は世界を変えることができるか 松沢裕作(慶應義塾大学) 事故と故事のあいだ──膨張する中国のナラティブ戦略 福嶋亮大(文芸批評家) 植民地主義者とはだれか──台湾とパレスチナのいまを貫く問い 駒込 武(京都大学) 国家が国籍を奪う──英国の経験 柄谷利恵子(関西大学) 『心的外傷と回復』について 阿部大樹(精神科医) 意見が嫌われる時代の言論 大澤 聡(批評家) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇世界の潮 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇岸田減税が不人気な理由 吉弘憲介(桃山学院大学) ◇性同一性障害特例法 違憲決定の意義 木村草太(東京都立大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇本との出会い ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて 新城和博(編集者) 本とチェック 第8回 詩人とその父をめぐる時間旅行(上) 金承福(「クオン」代表) 取るに足らない「茶飯」が積み上げたもの─湯澤規子『焼き芋とドーナツ』 富永京子(立命館大学) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●連載 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈新連載〉 最後は教育なのか? 第1回 「お花畑」は現実化する──仁平典宏さんに聞く 武田砂鉄(ライター) 〈新連載〉 〈小さな物語〉の復興──『フランケンシュタイン』をよむ 第1回 戦争 小川公代(上智大学) 〈最終回〉 再録・大江健三郎のことば 第6回 「持続する志」「再び持続する志」 大江健三郎 解題=山本昭宏 〈最終回〉 ブラック・ミュージックの魂を求めて 第6回 未来に向けて再構築されるルーツ 中村隆之(早稲田大学) ●「拉致問題」風化に抗して 第7回 日本人拉致が北朝鮮にもたらしたもの(その3) 蓮池 薫(新潟産業大学) ●隣のジャーナリズム ノンフィクションと「私」 伊澤理江(ジャーナリスト) ●ボナエ・リテラエ─私の読書遍歴 第7回 『キリスト教の絶対性と宗教史』 森本あんり(東京女子大学長) ●脳力のレッスン(259)二一世紀・未来圏の日本再生の構想(その2) 寺島実郎 ●片山善博の「日本を診る」(170)埼玉県子ども放置禁止条例案から窺える地方議会の形骸化 片山善博(大正大学) ●「変わらない」を変える 第8回 政治は「愛と希望」を語れるか 三浦まり(上智大学) ●滅びゆく日本、再生への道 第4回 「豊かな国」から転げ落ちた背景 星 浩(ジャーナリスト) ●気候再生のために 第20回 食料システムの変革が私たちの食を守る 高村ゆかり(東京大学) ●日本語のなかの何処かへ 第10回 この名にちなんで 温又柔(作家) ●沖縄(シマ)という窓─沖縄を二度と戦場にしない 松元 剛(琉球新報) ●ドキュメント激動の南北朝鮮 第317回(2023・10~11) 編集部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○岩波俳句 選・文=池田澄子(俳人) ○アムネスティ通信 ○記憶をもった鏡─奥山由之『windows』 ○表紙木版画 久保舎己 (潜水艦の闘い 2000、裏表紙 ひとがゆく 2023) ○キャラクター・扉絵 西村ツチカ ○アートディレクション 須田杏菜 ○デザイン 大原由衣 Kindle→https://amzn.to/3TkIHw1
-
四つの未来 〈ポスト資本主義〉を展望するための四類型
¥2,970
SOLD OUT
2010年代からはじまった「新世代」による世界的な知的・実践的ムーヴメントを牽引した『ジャコバン』誌の立ち上げメンバーであり編集委員のピーター・フレイズが放つ、「資本主義以後」の世界へ向けた四つの展望。 本書は『ジャコバン』誌とヴァーソ(Verso)社のコラボレーションによるもので、すでに7ヶ国語以上に翻訳されているが、実際にこれからの世界の「論点」をここまで手際よくまとめた本にはなかなかお目にかかれないはずである。 フレイズが描き出すのは四つの展望(ありうべき未来)、すなわち「コミュニズム」「レンティズム」「ソーシャリズム」「エクスターミニズム(絶滅主義)」である。この四つの未来は同時にあらわれうるし、いっぽうでいずれかの傾向を強くしていくこともあるだろう。(たとえば、日本でも近々サービスが開始されるという「ライドシェア(サービス)」は、ある種の「ソーシャリズム」的な側面を持ち合わせつつ「レンティズム」に傾くこともありうるし、また、現在イスラエル国家のやっていることは端的に「エクスターミニズム(絶滅主義)」である)。いずれにせよ、私たちが進む未来を決めるのは広い意味での「政治(的闘争)」であり、そこでは「階級(闘争)」という視点は欠かせない。 そして、この四つの未来に不可避にかかわっていくる「二つの妖怪」がいる。それは、従来の労働を不要にしていく「自動化」と、私たちの生活そのものの基盤を揺るがす「気候危機」である。この「二つの妖怪」と「四つの未来」の絡み合いによる──しかしこれはけっして未来予測ではない──フレイズの展望は、私たちの思考=行動に「未来への想像力」を添えてくれるはずである。 目次 序章「黙示録とユートピアとしてのテクノロジーとエコロジー」 第一章「コミュニズム──平等と豊かさ」 第二章「レンティズム──ヒエラルキーと豊かさ」 第三章「ソーシャリズ──平等と稀少性」 第四章「エクスターミニズム──ヒエラルキーと稀少性」 結論「いくつかの移行と展望」 付録「死の党の台頭」 訳者解説(酒井隆史) 著者プロフィール ピーター・フレイズ (ピーター フレイズ) (著/文) ピーター・フレイズ(Peter Frase) 『ジャコバン』誌(https://jacobin.com)編集委員.アメリカ民主社会主義者同盟(The Democratic Socialists of America)ハドソンバレー支部副委員長.『ジャコバン』誌のほか,『イン・ディーズ・タイムズ』(In These Times)などさまざまな媒体で執筆.本書(Four Futures: Life After Capitalism, Verso, 2016)は,韓国語,スウェーデン語,ルーマニア語,ポーランド語,トルコ語,イタリア語に翻訳されている. 酒井隆史 (サカイ タカシ) (翻訳) 1965年生まれ.大阪府立大学教授.専門は社会思想,都市史. 著書に,『賢人と奴隷とバカ』(亜紀書房),『ブルシット・ジョブの謎』(講談社現代新書),『完全版 自由論』(河出文庫),『暴力の哲学』(河出文庫),『通天閣 新・日本資本主義発達史』(青土社)など。 訳書に、デヴィッド・グレーバー+デヴィッド・ウェングロウ『万物の黎明』(光文社),デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ』(共訳、岩波書店),『官僚制のユートピア』(以文社),『負債論』(共訳,以文社),ピエール・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた』(洛北出版)など.
-
ぼくのとってもふつうのおうち 「ふつう」のくらしをうばわれた なんみんのはなし
¥1,980
SOLD OUT
ウクライナ難民との交流から生まれた絵本。一度にすべてを奪われた難民の子どもたちの願いとは・・・。彼らが再び「ふつう」の生活を取り戻せるように、せめて避難先では暖かく受け入れてあげたい──そんな気持ちにさせてくれる作品です。 版元から一言 ・難民になるというのはどういうことなのかが、幼い子どもにもわかる絵本です。 ・巻末には、世界の難民についての解説もあり、難民について子どもたちと考える一助になります。 ・美しい絵とシンプルで短いテキストは、読み聞かせにも向いています。 著者プロフィール コンスタンチン・ザテューポ (作) 1978年モスクワ生まれ。モスクワ印刷美術大学で学んだ後に、ベルリンのヴァイセンゼー美術大学でビジュアル・コミュニケーションを学ぶ。現在、ベルリンで絵本作家、イラストレーター、グラフィック・ノベル作家として活躍中。2019 年から アート・プロジェクトの一環として、難民支援団体とのコラボレーションを行っている。2022年のロシア軍によるウクライナ侵攻開始後は、アートイベントや学校、路上で、家を追われた子どもたちと日常的に交流している。日本での出版は本書が初めて。 藤原 潤子 (フジワラ ジュンコ) (訳) 神戸市外国語大学准教授、かけはし出版代表。ロシアをフィールドとして文化人類学研究を行いつつ、絵本などの翻訳にもたずさわる。著書に『呪われたナターシャ:現代ロシアにおける呪術の民族誌』(人文書院、2010年)、『シベリア:温暖化する極北の水環境と社会』(共編著、京都大学出版会、2015年)、訳書にアンドレイ・ウサチョフ作、イーゴリ・オレイニコフ絵『まほうの木』(東洋書店新社、2020年)、アントン・ロマーエフ作『パパかいぞくのこもりうた』(成山堂書店、2022年)など。
-
三世と多感
¥3,080
SOLD OUT
さあちょっとの間アメリカ人のふりをしてみよう。 お次は日本人のふり。二世のふりをしてみよう、 帰米のふりをしてみよう。三世のふりをしてみよう。 前編は「三世」で日系収容を知らない「失われた世代」である三世たちの姿を描き、後編の「多感」ではオースティンの七つの小説の構造を日系社会に落とし込みパロディにした二部構成の短編集。ヤマシタは、日系収容という「過去」を確かめつつ「三世」としての自分の立ち位置をどのように描いているのか? マジック・リアリズムの騎手による集団的記憶の軌跡! 目次 Ⅰ 三世 風呂 歯科医と歯科衛生士 紳士協定 ボンベイ・ジン ボルヘスとわたし キティのキス 小春日和 結腸・内視鏡 コン・マリマツ 三世レシピ LA/ガーデナ特製年表 Ⅱ 多感 しかたがない&もったいない 義理と我慢 モントレー・パーク エミ 日系ゴシック パースエイジアン オマキさん あとがき―三世ジェインネット 謝辞 訳者解説 著者プロフィール カレン・テイ・ヤマシタ (カレン テイ ヤマシタ) (著/文) Karen Tei Yamashita 日系アメリカ作家。1951年生まれの日系三世。第二次世界大戦における日系収容を経験しておらず、親からもその集団的記憶を語られないという状態で執筆したその作品には、被害言説から逸脱した日系性の諸相を伺うことができる。作品のジャンルは小説のみならず、演劇、短編、随筆と多岐にわたる。初期の90年代の主要作品としては『熱帯雨林の彼方へ』(1990年)、ロサンゼルスを舞台にした『オレンジ回帰線』(1997年)など。2000年代においては日系収容の史実に向き合った『記憶への手紙』(2017年)がある。またアジア系移民労働者用のホテルを舞台にした『I ホテル」(2010年)は600頁を超える長編である。2021年全米図書協会米国文学功労章受章。 牧野 理英 (マキノ リエ) (翻訳) 日本大学文理学部英文学科教授。アリゾナ州立大学英文学科博士課程修了(博士号)。専門分野は現代アメリカ文学(エスニック文学、英語圏日系文学)。単著に『抵抗と日系文学:日系収容と日本の敗北をめぐって』(2022年、三修社)。共編著に『アジア系トランスボーダー文学:アジア系アメリカ文学研究の新地平』(2021年、小鳥遊書房)。共著にTrans-Pacific Cultural Studies (Sage, 2021)、Approaches to Teaching the Works of Karen Tei Yamashita (MLA, 2021)。翻訳は『ツナミの年』 牧野理英[訳](単著 翻訳小鳥遊書房、2020年、全242頁)などがある。
-
正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」
¥1,056
SOLD OUT
「多様性」の時代のヒーローとは── 【推薦コメント】 本書はヒーローの変遷を歴史的な流れのなかで見通すひとつの示し、手がかりを与えてくれる。 ────三木那由他氏(大阪大学大学院講師・『言葉の風景、哲学のレンズ』、『会話を哲学する』) 【おもな内容】 世界を救う、「正義」の象徴たるヒーローは、圧倒的な“マジョリティ”として表象されてきた。 しかし21世紀を迎え、ジェンダー、加齢、障害、新自由主義といった様々な観点への理解・変化から、留保なしでその存在は認められなくなった。 では、ヒーローたちはどのように「多様性」と向き合うのか? そして、「ポスト真実の時代」とどう対峙していくのか? 本書は、ヒーローの誕生から発展までの歴史的視座を参照し、アメリカと日本のポップカルチャーに登場、活躍する《新しいヒーロー像》を縦横無尽に論じる。 ヒーローを考えることは社会を考えることだ! 【目次】 序章 多様性の時代の正義 第一章 法の外のヒーローたち 第二章 二つのアメリカと現代のテーレマコス 第三章 トランプ時代の「お隣のヒーロー」 第四章 多様性の時代に「悪」はどこにいるのか? 第五章 「オレはまだまだやれる!」──中年ヒーローの分かれ道 第六章 障害、加齢とスーパーヒーロー 第七章 日本のヒーローの昔と今 第八章 正義のパロディとニヒリズムとの戦い 第九章 デスゲームと「市場」という正義、そしてケアの倫理へ 第十章 ポストフェミニズムと新たな「ヒーロー」 終章 私たちの現在地 おわりに 正義はどこへ行くのか? 【著者略歴】 河野真太郎(こうの・しんたろう) 1974年、山口県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。 博士(学術)。 専修大学国際コミュニケーション学部教授。 専門はイギリス文学・文化およびカルチュラル・スタディーズ。 著書に『はたらく物語 マンガ・アニメ・映画から「仕事」を考える8章』(笠間書院)、『新しい声を聞くぼくたち』(講談社)、『増補 戦う姫、働く少女』(ちくま文庫)、翻訳にウェンディ・ブラウン著『新自由主義の廃墟で』(人文書院)など多数がある。 Kindle→https://amzn.to/3GFGa87