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現代思想2023年12月号 特集=感情史
¥1,760
SOLD OUT
私たちの「感情」はどこからきて、どこへゆくのか? 怒り、喜び、悲しみ、恐怖、嫌悪、恥、誇り……これらさまざまな感情は私たちの身体に由来するものでありながら、同時に社会・政治・文化の領域とも深くかかわっている。そうした感情の歴史をたどり、感情から歴史を見つめることは何を照らし出すのか。本特集では感情史研究の最前線を、それらと共鳴しうる多様な分野の実践にも広く目を向けながら一望する。 [目次] 特集*感情史 【DISCUSSION】 感情がひらく越境と革新の可能性 / 小野寺拓也+森田直子 【EMOTIONS THAT MATTER】 感情の進化 / 長谷川眞理子 ひらかれた感情史のために / 伊東剛史 感情史のかたち / 長谷川貴彦 「感情史」によせて思う――心性・感性・共感 / 長谷川まゆ帆 感情史とフランス――アラン・コルバンの貢献 / 小倉孝誠 南アジア歴史研究における感情をめぐって――予備的サーヴェイ / 粟屋利江 【SECRET HISTORIES OF...】 ひとつになること――西方キリスト教の感情史探訪 / 後藤里菜 経済学者の猫語り――革命前夜のフランスで「感情体制」はどう変わったか / 貝原伴寛 湿性(モイスチュア)と原感情の歴史 / 尾形弘紀 「少女」の感情・愛情の変容――近代日本の『少女の友』の巻頭小説から / 今田絵里香 【POLITICS AND ECONOMICS】 ある「世俗的心理学のカテゴリー」が辿り着いたひとつの場所――感情資本主義と共感の領域 / 平田周 理性的治療のイデオロギー?――認知行動療法とストア哲学の政治的言説への転用について / 藤井翔太 消費主義史とエステティクス / 久野愛 公共と情念――いつか来る感情政治学のためのノート 山本圭 「個人的なこと」を奪われないために――ロシアのフェミニズム文学とジャーナリズムに見る女性の感情 / 高柳聡子 【BODY-MIND OF MODERNITY】 近代の感情/情念について――デカルト、スピノザ、ライプニッツから / 谷川多佳子 情動的唯物論――モダニズムにおける霊的なものの系譜 / 遠藤不比人 感情と言葉、言葉とツール――リルケ『マルテの手記』のセンチメントを考察する / 中村靖子 雰囲気学をひらく / 久山雄甫 【連載●「戦後知」の超克●第三五回】 見田宗介の「近代」と「現代」 7 / 成田龍一 【連載●社会は生きている●第一六回】 環境とシステム 2――構造的カップリングの陥穽 / 山下祐介 【研究手帖】 現代思潮と音楽葬 / 田井みのり Kindle→https://amzn.to/3T0IFZR
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わたしを覚えている街へ
¥1,320
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自分が住む街の現在・過去・未来へのパスポートに。 twililightがある三軒茶屋をテーマにしたポケットブックシリーズ「sanchapbook」(サンチャップブック)創刊! 01はtwililight web magazineで2023年7月から10月まで連載していた竹中万季『わたしを覚えている街へ』を書籍化しました。 「異なる歴史を生きてきた人たちがその場所に集い、交ざり合い、わたしたちが暮らしている街ができてきたはずだけれど、そこにどんな人たちが暮らし、どんな歴史が紡がれてきたのかに思いを馳せる機会はこれまで多くなかったように思います。」 三軒茶屋に3歳から30歳くらいまで住んでいたme and youの竹中万季が、twililght web magazineでの連載をきっかけに、近いようで遠かった三軒茶屋と新しい関係を築いていく。 「街について考えることは、自分のこれまでや、誰かのこれから、世界のことを考えることでもあるということを教えてくれてありがとう。」 目次 キャロットタワーの展望台 ピンク色の服が着れなかった頃 鏡に反射するいつかの自分と 女子校の軽音楽部、行きつけのレコード屋 百年前、この街で暮らしていた人たちは 母と父が幼かった頃の街へ 酒がある場に宿るもの わたしを覚えている街へ 著者:竹中万季 1988年生まれ、東京都世田谷区出身。編集、企画など。2017年、CINRA在籍時に「She is」を野村由芽と共に立ち上げ、2021年に野村と独立し「me and you」を設立。『わたしとあなた 小さな光のための対話集』や『me and youの日記文通』の出版や、ウェブマガジン・コミュニティ「me and you little magazine & club」を運営するほか、J-WAVE「わたしたちのスリープオーバー」のナビゲーターを務める。日々のことや見たり聴いたりしたものを記録する個人的なウェブサイトの存在を10代の頃から大切にしています。 表紙写真: tsukao デザイン:横山雄 判型:B7 ページ数:88ページ 本体価格:1200円 発行:ignition gallery 発行所:twililight
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思い出せるなら
¥990
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自分が住む街の現在・過去・未来へのパスポートに。 twililightがある三軒茶屋をテーマにしたポケットブックシリーズ「sanchapbook」(サンチャップブック)創刊! 02は三軒茶屋で本屋&ギャラリー&カフェ『twililight』を営む熊谷充紘が、カフェで提供するメニューや、同じ鈴木ビルにあるカフェ『nicolas 』のデザートを、自身の記憶に置き換えて紹介するメニューブックです。 装画・挿し絵はささきめぐみ。 食べることは、栄養摂取のためだけにあるのではなく、その場を満たす音や光、誰かとの語らいを味わうためにもある。 食べ物は食べたら消えてしまうけれど、思い出せるなら、その味は永遠に消えることなく、あなたは独りではないと教えてくれる。 「だからわたしは書き留める。忘れやすいわたしが何度でも思い出せるように。」 目次 柿のタルト・タタン 星屑のレモンケーキ 抹茶と小夏のアイスサンド りんごのタルト チョコレートとバターのバゲットサンドイッチ バナナのタルト 苺と木苺のタルト ワンピースを纏ったブルーベリーとマスカルポーネのパイ カシューナッツバニラクッキーとピーカンナッツコーヒークッキー アメリカンチェリーとアーモンドのタルト シュトーレン ココナツとパイナップルのタルト 桃のサングリア シナモンロール 梨のタルト ガトーショコラ 著者:熊谷充紘 三軒茶屋で本屋&ギャラリー&カフェ『twililight』を営む。出版社としても、安達茉莉子『世界に放りこまれた』、レアード・ハント/柴田元幸訳『インディアナ、インディアナ』、畑野智美『トワイライライト』などを刊行。 本と出会う場を広げるべく、イベント企画や選書、執筆も行う。これまでに「SHIPS HAPPY HOLIDAYS」選書、渋谷PARCO「あいとあいまい」選書、LUSH「BATHING & POETRY」選書&インタスレーションなど。 屋上でぼんやりする時間が好き。 装画・挿し絵: ささきめぐみ デザイン:横山雄 判型:B7 ページ数:40ページ 本体価格:900円 発行:ignition gallery 発行所:twililight
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Book Arts and Crafts vol.8 本が届くまでの物語
¥1,100
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本づくり学校の運営サポートを中心に、本づくりの技術と文化の普及・啓蒙につながるワークショップイベントを開催している「本づくり協会」が年1回発行する会報誌。 特集 本が届くまでの物語 インタビュー ビーナイス杉田龍彦 本と出会う”奇跡” ビーナイスの本 インタビュー 小説家 ほしおさなえ 本を問う 工場探訪 「活字の景色」活版印刷・嘉瑞工房を訪ねて(取材・文 永岡綾 写真・高見知香) 連載 上島松男物語 その4 故郷の名で、ひとり立つ(イラスト・望月通陽 書影・守屋史世 聞き手・上島明子 美篶堂代表 文・永岡綾) BOOK ARTS AND CRAFTS VOL.8 A5版 32ページ 並製・中綴じ 表紙の紙 みやぎぬ 色 たちばな 本文の紙 タブロ 栞の紙 NT ほそおりGA 色 ひまわり 2023年11月発行
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あなたも狂信する 宗教1世と宗教2世の世界に迫る共事者研究
¥2,530
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内側からの狂信論 宗教、スピリチュアル、自己啓発、マルチ商法、 陰謀論、自然派カルト、ネトウヨ言説… 「真理」を求める人たちを、どうして軽んじられるだろうか――。 宗教2世(エホバの証人2世)として過酷な幼少期を経験し、現在、宗教2世のために自助グループの運営にも尽力する文学研究者の著者が、宗教1世(自らカルト宗教などに入信した人)と宗教2世10名にインタビュー。その証言や、幻想文学、そして自身や自身の母親の経験をもとに、「他人」としてではなく、「当事者」として、また問題に深く関心を持つ味方「共事者」として、「狂信」の内側に迫る。 自己省察を踏まえ回心と逆回心(W.ジェイムズ)を読み解く。 宗教研究・文学研究・回復ケア論の新たなアプローチ。 ――島薗進(宗教学者) 自らがなぜ踏み越えたか、振り返る。 今なお癒えぬ傷をさすって。 当事者たちの渾身の独白集。 ――荻上チキ(評論家) 〈目次〉 はじめに 宗教1世と宗教2世/内側からの狂信論/インタビュイーとインフォーマントたち/共事者研究とは何か/銃撃事件以後に「共事者」を考えた/構成について 第1章 真理への欲求と死に対する不安 ビジネスパーソンと教育系YouTuberファン/聖書に求めた真理/創価学会で人間性を鍛える/親鸞会で人生の意味を考える/真理と共同体/私の母が求めた真理/「死の真理」に憑かれた私/死への不安と死臭の戦慄/神に滅ぼされる恐怖/ベランダの少年から台所に立つ中年男へ 第2章 世界が公正なものであってほしいという思い なぜ世界は公正ではないのか/公正世界を求めた信者たち/誘導されて、自己成長のために/運命の転換をめざして/公正世界信念の解除方法/最善世界ではなく最悪世界 第3章 共同体を求めて くたくた枯野/Sさん、ホーフマンスタール、サルトル/ムージルの「千年王国」とソウルメイト/私の共同体遍歴/教壇から障害者福祉とお菓子教室へ/妊娠中の家庭内暴力から楽園幻想へ/楽園に相応しくないという思いと教団への失望/「いい人ばかり」だった統一教会/こじれた人間関係と信頼できる先輩/欲求五段階説、共同体感覚、共同体のバイアス/キラキラ農村共同体と信者の属性問題/森鴎外的モラルと井伏鱒二的モラル 第4章 マインドコントロールとは何か? そして洗脳とは何か? ビジネス交渉術とマインドコントロールのあやうい境界線/操られていたとは思わないが/操られていると感じさせないように操る/性加害とマインドコントロールからの解放/統一教会のマインドコントロールはどのように期限切れとなるか/エホバの証人にはマインドコントロールと洗脳の両方がある/私が考えるマインドコントロール/「研究者」ということ 第5章 じぶんは選ばれた人間だという感覚と、誰かを救ってあげたいという切望 ユダヤ教、ナチス・ドイツ、アカデミズム/家族を救う中心人物と、選ばれていないという意識/世の人、一四万四〇〇〇人、病院での転機/教会内のステージに合わせて対応を変える/仏教系新宗教の人々/ドイツ文学と京都 第6章 至高体験 信仰心の燃料としての至高体験/神秘的な体験はなかった/神々しさを欠いた統一教会教祖/冷静でしらふの信者たち/至高体験を相対化する宗教1世たち/発達障害者にはよくあることとして/宗教の代償としての文学/淀んだ水と爽やかな水 第7章 信仰心を揺るがされたときには、どうなるか 確証バイアスと認知的不協和/認知的不協和を解消するシステム/名誉棄損のSNS投票や選挙のお願いで認知的不協和が高まった/脱会支援者との対話を経て/世俗的な魂を引かれて、そして息子の離脱/信頼する先輩の離脱と、性被害の経験/発達障害者が肯定的な力を発揮するとき/損切りできるかできないか、という分水嶺/キリスト教系新宗教1世たちの損切り/コロナ禍で損切りした創価学会員たち/損切の難しさ/暗澹とした森 第8章 依存しすぎる病気に飲みこまれて 信仰と依存症/神に酩酊するイスラム神秘主義/エホバの道具と南無妙法蓮華経/仕事中毒と自傷行為/脱会後の依存症/趣味が依存症の代償となった事例/別の宗教に再入信する/私の事例/趣味か依存症か/依存症とマインドコントロール 第9章 改宗、オカルト、ニューエイジ、自己啓発セミナー、マルチ商法、スピリチュアル系、自然派カルト、陰謀論、極左思想、ネトウヨ言説 エホバの証人からプロテスタントへ/統一教会からプロテスタントへ/親鸞会から浄土真宗へ/オカルトとニューエイジへの関心と反発/かたわらをかすめていった自己啓発セミナーとマルチ商法/スピリチュアル系と自然派カルトに対する二律背反/唖然とする陰謀論、極左思想、ネトウヨ言説/ハイヤーパワー、二ーバーの祈り、引き寄せの法則/今後の日本はどうなるか(1)/今後の日本はどうなるか(2) 終章 カルトとは何か カルト的な要素/世間からの隔絶、入口と出口、善悪二元論/文学研究という分野との葛藤/恋愛遍歴とソウルメイト/愛より親切を、不寛容よりユーモアを/葦としての人間の尊厳 おわりに 文献一覧 著者について 横道誠(よこみち・まこと) 京都府立大学文学部准教授。1979年生まれ。大阪市出身。博士(文学)(京都大学)。専門は文学・当事者研究。単著に『みんな水の中──「発達障害」自助グループの文学研究者はどんな世界に棲んでいるか』(医学書院)、『唯が行く!──当事者研究とオープンダイアローグ奮闘記』(金剛出版)、『イスタンブールで青に溺れる──発達障害者の世界周遊記』(文藝春秋)、『グリム兄弟とその学問的後継者たち──神話に魂を奪われて』(ミネルヴァ書房)などが、編著に『みんなの宗教2世問題』(晶文社)、『信仰から解放されない子どもたち──#宗教2世に信教の自由を』(明石書店)などがある。 Kindle→https://amzn.to/46uHgy0
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わたしが誰かわからない ヤングケアラーを探す旅
¥2,200
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★★ケア的主体をめぐる冒険的セルフドキュメント!★★ 「ヤングケアラー」について取材をはじめた著者は、 度重なる困難の果てに中断を余儀なくされた。 一体ヤングケアラーとは誰なのか。 世界をどのように感受していて、具体的に何に困っていているのか。 取材はいつの間にか、自らの記憶をたぐり寄せる旅に変わっていた。 ケアを成就できる主体とは、 あらかじめ固まることを禁じられ、自他の境界を横断してしまう人ではないか――。 著者はふたたび祈るように書きはじめた。 【目次】 1 薄氷のような連帯 2 いちばん憎くて、いちばん愛している人 3 わたしが誰かわからない 4 わたしはなぜ書けないか 5 抱えきれない言葉の花束 6 固まることを禁じられた体――ケア的主体とは何か 7 自己消滅と自己保存――水滴のように 8 犠牲と献身と生まれ変わり――自由へ 【本文より】 ケアを成就できる主体というのは、あらかじめ固まることを禁じられ、環境によって変化する可塑性を持っているということではないか。 自分をとりかこむ輪郭線をいつでも崩れさせ、自己と他者の境界を横断することができる。 自己の固着という安心からいつでも離れられる無防備さというものが、ケア的主体の真価だろう。 著者について 中村佑子(なかむら・ゆうこ) 1977年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒。 テレビマンユニオンに参加。ドキュメンタリーを多く手がける。 映画作品に『はじまりの記憶 杉本博司』、『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』、 テレビ演出作にNHK-BSプレミアム「幻の東京計画 首都にありえた3つの夢」など。 シアターコモンズにて、AR映画『サスペンデッド』脚本・演出などがある。 2020年、初の単著となる『マザリング 現代の母なる場所』(集英社)を出版。 立教大学現代心理学部映像身体学科兼任講師。
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音と言葉の日々
¥1,210
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二年ぶりのエッセイ集。音楽を聴く、人の声に耳を傾ける。 本のある場にいき、書かれた本、読まれた本と交感する。 リーガルリリー YAON をめざし、 世田谷ピンポンズ十周年記念公演で結ばれた暮らしの記録。 音楽をたくさん聴いて、本をたくさん読もう。 その日々を言葉として綴ろう。高鳴りとともにそう思った。 装画:小林紗織 目次 はじめに あいを受けとる 四月二十三日の記録 [ 黄金色の卵焼き ] バイト気分の雑魚 本屋イトマイの扉 五月二十七日の記録 [ 他人の顔 ] tayu-tau 六月の記録 [ 岩手・紫波〜盛岡ツアー ] 雨雲の向こうに 七月二日の記録 [ 日比谷野外大音楽堂・リーガルリリー ] 雨樋の記憶 九月の記録 [ 早稲田スコットホール・世田谷ピンポンズ十周年記念公演 ] 鳴り続ける音 ページ数 92 判型 B 6判 装丁 柏崎沙織 著者プロフィール 橋本亮二(著) 1981年、愛知県生まれ。出版社で営業職。共著『本を贈る』
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製本と編集者 vol.2
¥1,320
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これまでの出版業界にとって本を作るということは疑う余地もなく、紙の本を作るということだった。電子書籍が登場し、多くの人たちが当たり前にそれを読む端末を手にし、紙の本の価値を問われるようになって久しいが、それでもまだ紙の本のほうが商売になる(儲かる)という理由で、なんだかんだと紙の本は作られ続けている。けれど商売になるかどうか以前に、どうして紙の本をいいと思うのか説明できるようになりたい。それは自分がこの先もこの仕事を続けていく理由に繋がるはずだからだ。 製本の現場から、三人の編集者へ問いかける これからの本についてのインタビュー、シリーズ第二弾 編者:笠井瑠美子 話す人:松井祐輔(エイチアンドエスカンパニー (H.A.B))、三輪侑紀子(岩波書店)、藤枝大(書肆侃侃房) 松井祐輔 まつい・ゆうすけ 一九八四年、愛知県名古屋市生まれ、春日井市育ち。千葉大学文学部史学科卒。出版取次の株式会社太洋社に勤務の後、株式会社筑摩書房、NUMABOOKSを経て、現在は無所属。二〇一四年に『HAB』を刊行。以降は断続的に『ナンセンスな問い』(友田とん)、『山學ノオト』(青木真兵、青木海青子)、『台湾書店百年の物語』(台湾独立書店文化協会)、『パリと本屋さん』(パリュスあや子)などの書籍を刊行。二〇一四年から「小屋BOOKS」、二〇一五年には移転し「H.A.Bookstore」として実店舗を運営。二〇二〇年に閉店し、現在はwebのみで販売を行う。並行して取次業も担う。本を売って生きている。 三輪侑紀子 みわ・ゆきこ 一九八七年、静岡県浜松市生まれ。二〇一〇年頃から角川春樹事務所書籍編集部アルバイト。二〇一四年頃から編集部員に。二〇一九年岩波書店入社。所属は児童書編集部。二〇二〇年に出産。二〇二一年頃から『図書』編集部にも参加。二〇二三年の担当書は『地図と星座の少女』『ローラ・ディーンにふりまわされてる』『クロスオーバー』『モノクロの街の夜明けに』『ナイチンゲールが歌ってる』。 藤枝大 ふじえ・だい 一九八九年に八丈島で生まれ、関西で育つ。未知谷を経て、二〇一七年より書肆侃侃房で勤務。主に詩歌、海外文学、人文書、文芸誌の編集をしている。短歌ムック「ねむらない樹」 (編集統括)、文学ムック「ことばと」、「現代短歌クラシックス」シリーズのほか、『左川ちか全集』『葛原妙子歌集』『はじめまして現代川柳』『うたうおばけ』『月面文字翻刻一例』『象の旅』『赤の自伝』『路上の陽光』『ベルクソン思想の現在』などの編集を担当。海外文学と詩歌の書店「本のあるところ ajiro」を二〇一八年に立ち上げ、運営している。 ページ数 106 判型 A5判 装丁 千葉美穂(Ophelia Design Studio.) 著者プロフィール 笠井瑠美子(編著) 一九八〇年生まれ。横浜市育ち。武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業後、株式会社東京印書館に入社。退職後、デザイン制作会社に勤務する傍ら、手製本工房まるみず組で手製本を習う。加藤製本株式会社で束見本担当、二〇一九年退職。二〇二〇年一月より、株式会社松岳社で引き 続き束見本を担当することになりました。束見本以外にもいろいろな作業をするのですが楽しいです。 行きつけは今野書店、時々Title。本を売る先は古本屋の音羽館。かもめブックスは第五の故郷です。 ・『本を贈る』(三輪舎)共著 ・『先生』(生活綴方出版部)寄稿 ・H.A.Bノ冊子「製本する人々」連載中 ・dee’s magazine コラム連載中
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Je suis l? ここにいるよ
¥2,640
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この世を去った愛猫が、悲しみにくれるボクに寄り添い語りかける――「ここにいるよ」。 愛しい姿、声、しぐさ、ぬくもり、匂い、よみがえる幸せな日の記憶。 大切な存在を失った悲しみを抱きしめ、涙を越えた愛と絆に気づかせてくれる感動の絵本。 透ける用紙をつかったしかけや箔押しカバーが美しく、ギフトにもおすすめです。 「そばにいてほしい、って もう寂しく思わないくらい、愛する存在と溶け合って自分の一部になる、 そんな日がきっとくる。」――――― 坂本美雨(ミュージシャン) 著者プロフィール シズカ (シズカ) (著/文 | イラスト) 2016年、『ココニイルヨ』の小さな絵本ダミーを携え、イタリア・ボローニャ・ブックフェアへ。2017年、ベルギーの出版社Alice Jeunesseより 『Je suis là 』で絵本作家デビュー。本作は原案『ココニイルヨ』に立ち返り、再構成した初の日本語版。近著に藤井カゼッタとの共著『ナイアル』(フレーベル館)がある。
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よっちぼっち 家族四人の四つの人生
¥2,200
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手話をことばとして生きる写真家・齋藤陽道さんの人気連載が一冊になりました。 齋藤さんは「聞こえる家族」に生まれたろう者、妻のまなみさんは「ろう家族」に生まれたろう者。そんなふたりの間には、聞こえる子どもがふたり――。 一家は、それぞれの違いを尊重しながら、手話で、表情で、体温で、互いの思いを伝え合います。 本書は、美しい写真とともに紡がれた育児記であり、手話でかかわり合うからこそもたらされた気づきと喜びの記録です。 著者について 齋藤陽道 1983年、東京都生まれ。写真家。都立石神井ろう学校卒業。2020年から熊本県在住。陽ノ道として障害者プロレス団体「ドッグレッグス」所属。2010年、写真新世紀優秀賞受賞。2013年、ワタリウム美術館にて新鋭写真家として異例の大型個展を開催。2014年、日本写真協会新人賞受賞。写真集に『感動』、続編の『感動、』(赤々舎)で木村伊兵衛写真賞最終候補。著書に『異なり記念日』(医学書院・シリーズ ケアをひらく、第73回毎日出版文化賞企画部門受賞)、『声めぐり』(晶文社)など。 2022年には『育児まんが日記 せかいはことば』(ナナロク社)を発行。同年、Eテレ『おかあさんといっしょ』のエンディング曲『きんらきら ぽん』の作詞を担当。写真家、文筆家としてだけでなく、活動の幅を広げている。 Kindle→https://amzn.to/47MmEC9
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魔法少女はなぜ世界を救えなかったのか?
¥1,980
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魔法戦士に変身して戦う姿は少女に自信を与えるのか、 それともミニスカートにハイヒール姿の性役割を植えつけるのか? 少女文化コンテンツがもつ二面性への問いを発端とし、 ディズニープリンセス、おもちゃ、外遊び、ゲーム、魔法少女アニメ、文学、K-POPアイドルまで、 子どもたちが触れるコンテンツが内包するジレンマ、問題点を洗い出す。 【目次】 第1章 ディズニーは、どうやってプリンセスブランドを復活させたのか? 第2章 外は危険、ディズニーから離れないで 第3章 女の子は人形を、男の子はアクションフィギュアを本能的に求めるのか? 第4章 子どもには思う存分遊ばせよ! 第5章 ゲーム業界、どうしようもないと思っていたら間違いでした 第6章 魔法の国からやってきたサリーのパラドックス 第7章 魔法少女アニメが衰退した理由 第8章 セーラームーンはなぜ世界を救えなかったのか? 第9章 魔法少女アニメはおもちゃのカタログ? 第10章 すべての文学は少女から始まった 第11章 私らしくいられない世の中で「児童書」として生き残る 第12章 文学界、少女ヒーローの裏に隠された性差別の陰 第13章 アイドル「パスニ(追っかけ)」、「ファンフィクション(二次創作)」、「ホームマスター(ファンサイトの管理人)」、それぞれの推し活 第14章 白状します、女性アイドルを見るたびに申し訳なくなる理由を 第15章 少女は幻想を満たす存在ではなく、人間です! 著者について ペク・ソルフィ 気付けば7年目を迎える編集者。現在までの自分を作り上げ、未来の女児たちを作っていく少女文化に強い関心を持つ。人文学コミュニティ「イウム」が発行するウェブマガジン「CONNECT」の編集員。パク・ポクスンアというペンネームで小説の執筆も行っているほか、「IZE」「ビュー」などにも寄稿している。 ホン・スミン 児童文化・消費文化を専攻する大学院生。埼玉大学にて論文「東映魔法少女アニメーション50年史」を執筆し、修士学位を取得。現在はオーストラリアのシドニー大学にて博士課程を受けている。 渡辺麻土香 韓日翻訳者。訳書にキム・ヨンソプ『アンコンタクト 非接触の経済学』(小学館)、ハン・ミファ『韓国の「街の本屋」の生存探究』(クオン)、オリガ・グレベンニク『戦争日記 : 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々』(河出書房新社)、ソン・ウォンピョン『威風堂々キツネの尻尾』(永岡書店)などがある。 Kindle→https://amzn.to/47oE5ZQ
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当事者対決! 心と体でケンカする
¥1,870
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生きづらさの往復インタビュー 自閉スペクトラム症/ADHDの当事者と、潰瘍性大腸炎の当事者が、互いを取材して考えた、それぞれが抱える苦悩と、それぞれにしか見えない世界【本文より――はじめに(頭木)】横道さんは発達障害の当事者で、私は潰瘍性大腸炎という難病の当事者です。つまり、心で困っている人と、体で困っている人です。当事者研究の本を、横道さんも私もそれぞれに出していますが、ふたりで一緒に作ることには、また新しい意義があるのではないか(…)それぞれ心と体の仮の代表として、議論をたたかわせ、ケンカしてみるのも、おもしろいのではないかと思いました。 目次 はじめに このふたりの本を読むことにどんな意味があるのか? 頭木弘樹 なぜ往復インタビューなのか?/心と体でひとつの本を作る/なぜ心と体でケンカするのか?/ひとりの人間のなかでも心と体はケンカする/個人的な体験を読むことに意味はあるのか?/個人的な話が、なぜか普遍的な話に/この本の作り方について ●ラウンド1 どういう症状か? 1 発達障害とは 頭木→横道 発達障害とはなにか/病気なのか障害なのか/先天的か後天的か/グレーゾーン/脳の多様性/じぶんたちの文化を生きている/「バリ層」「ギリ層」「ムリ層」/健常者からの反発/能力社会と環境 2 難病とは 横道→頭木 潰瘍性大腸炎のダイバーシティ/「難病」というあつかい/「同病相憐れ」めない/病気の始まり/病院へ行っても後悔続き/身体イメージの変化/骨を嚙んでる犬がうらやましい/豆腐は神だった インターバル1 壊れた体、世界一の体 ●ラウンド2 どんな人生か? 3 発達障害と生いたち 頭木→横道 まわりは異星人ばかり/マンガのなかにいる「仲間」/大衆文学は難しい/発達障害の診断を受ける/診断名が増えて感動! 4 難病と生いたち 横道→頭木 おとながわからない/止まった年齢/カフカとの邂逅、そして再会/カフカにすがりつく闘病生活/ベッドの上で働く/初の著作は幻の本に/12年越しの電話/死にたくなるような美しい曲/絶望はしないほうがいい インターバル2 定型発達者ぶりっこ ●ラウンド3 どうしてつらいのか? 5 発達性トラウマ障害 頭木→横道 家族の人生/母親の入信/発達障害と宗教2世の関係/転機としての脱会/実家を出る決意/人間嫌いの人間好き 6 難病のメンタリティ 横道→頭木 踏み台昇降をやってる男/同情がないと生きていけない/「ふつう」がじぶん側に近寄ってくる/社会モデルと病気/漏らし文化圏/役に立たないものが好き/勇気のもらい方 インターバル3 SNS文学 ●ラウンド4 だれと生きるのか? 7 発達障害とセクシャリティ 頭木→横道 性の揺らぎ/初恋の思い出/好きになった人への告白/カサンドラ症候群/理解されることに飢えている 8 難病と家族 横道→頭木 落語と語りの文体/昔話に魅せられて/宮古島への移住/7回の転校生活/語ってこなかった結婚の話/紅茶を頼む勇気/社会に広めたいルール インターバル4 オマケの人生 試合結果 心と体はどっちがつらい? 心と体はケンカする?/心と心がケンカする/心身1.5元論/見晴らしのいい場所 おわりに 頭木弘樹のことと私の漏らし体験 横道誠
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レイシャル・プロファイリング 警察による人種差別を問う
¥4,400
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外見と犯罪を結びつけて、警察官が職務質問をすることは典型的なレイシャル・プロファイリングである。東京弁護士会の調査等から実態を明らかにし、法制度、海外の判例、警察実務、統計的差別との関係など多角的に検証する。 目次 序 論(宮下萌・明戸隆浩) 第1部 レイシャル・プロファイリングの実態と司法 第1章 取材から見えた、日本のレイシャル・プロファイリングの現在地(國崎万智) 第2章 ムスリムに対するレイシャル・プロファイリング(井桁大介) 第3章 事例としてのムスリム母子不当聴取事件(西山温子) 第4章 量的データから見る日本のレイシャル・プロファイリングの実態――2021年度東弁調査の分析から(明戸隆浩・有園洋一・古池秀・宮下萌) 第5章 質的データから見る日本のレイシャル・プロファイリングの実態――2021年度東弁調査自由回答およびインタビュー調査から(宮下萌・曺慶鎬) 第6章 レイシャル・プロファイリングと国際人権――一般的勧告36の紹介を中心に(宮下萌) 第2部 多角的な視点からレイシャル・プロファイリングを考える 第7章 Floyd訴訟後のニューヨーク市におけるポリシング政策(今野健一・高橋早苗) 第8章 刑事政策論から見たレイシャル・プロファイリング(寺中誠) 第9章 「職務質問道」が言語化する技能と言語化しない直感・違和感(矢吹康夫) 第10章 「ハーフ」「ミックス」の人々とレイシャル・プロファイリング(下地ローレンス吉孝) 第11章 マイノリティに対する犯罪レイシャル・プロファイリングの不当性(堀田義太郎) 第12章 アルゴリズムの判断はいつ差別であるといえるか――COMPAS事例を参照して(前田春香) Kindle→https://amzn.to/411pOA4
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孤独の本質 つながりの力
¥2,640
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喫煙、肥満、依存症より深刻──? なぜいま「孤独」は世界中にまん延しているのか。 抜け出せない負のスパイラルはなぜ生まれるのか。 「親切」を政策に掲げる都市で、高齢者どうしが支え合う村で、母親たちが命を救い合うオンラインネットワークで…… 各地で実践される「社会的処方」が生む癒やしの力とは。 国の公衆衛生をリードしてきた著者が多角的に解明する。 【ニューヨーク・タイムズ ベストセラー/推薦の声多数】 アトゥール・ガワンデ(『死すべき定め』著者) 「私たちは、孤独という大規模で致命的な伝染病を抱えている。孤独は喫煙と同じくらい健康に害を及ぼし、それでいてはるかにまん延している。そして、孤独の科学と苦悩に関する彼の衝撃的な物語が明かすように、私たちは孤独に対して何かをすることができる。本書は魅力的で感動的な必読書だ」 スーザン・ケイン(『内向型人間のすごい力』著者) 「最も明白なことが、最も見えにくいということがある。孤独とその闇を理解する道を照らしてくれるヴィヴェック・マーシー博士に感謝したい。本書は私たち全員への贈り物だ」 ダニエル・ゴールマン(『EQ こころの知能指数』著者) 「メインストリートがシャッター通りと化し、ショッピングモールは衰退し、そしてソーシャルメディア上の弱いつながりが拡散する現代において、私たちは重要な個人的つながりを失っている。ヴィヴェック・マーシー博士は本書のなかで、私たちの個人生活と社会を何が蝕んでいるのかを見事に診断し、お互いの人生──そして私たち自身の人生を豊かにするための処方箋を提供してくれる」 ウォルター・アイザックソン(ニューヨーク・タイムズ ベストセラー作家) 「このパワフルで重要な本は、孤独を公衆衛生の課題として捉えている。ヴィヴェック・マーシーは、なぜ孤独が人類のなかで進化したのか、それがいかに有害なのか、なぜ今日増えているのか、そして私たちに何ができるのかを示している。友人や地域コミュニティとのより良いつながりを築くことで、私たちはより健康的な生活を送ることができ、友人たちがより健康になるのを手助けできる」 アダム・グラント(ニューヨーク・タイムズ ベストセラー作家) 「著者は喫煙について警告するためにここにいるのではない。孤独と戦い、コミュニティとつながりを築くために必要なことを示すという使命を負っている。説得力のある語り口、正確な証拠、そしてタイムリーな行動への呼びかけを備えた本書は、私たちのメンタルヘルスと社会的ウェルビーイングにとっての吉兆である」 【目次】 第1部 孤独を理解する 第1章 目の前にあるのに気づかないもの 第2章 孤独の進化史 第3章 つながりの文化 第4章 なぜ、いま? 第5章 孤独の仮面を剥がす 第2部 よりつながりのある人生を築く 第6章 外側より先に、内側とつながる 第7章 つながりの3つのサークル 第8章 ひとつの大家族 著者について [著者] ヴィヴェック・H・マーシー(医学博士)〔Vivek H. Murthy, MD〕 2014年12月から2017年4月まで、第19代アメリカ公衆衛生局長官を務め、2021年3月より第21代として再任。「国家の医師」として、オピオイドのまん延、電子タバコ、感情面の健康とウェルビーイングなど、重要な公衆衛生問題への注意を促してきた。公衆衛生局士官部隊では副提督を務め、国民の健康を守るために尽力する6,600人の士官を率いた。政府の仕事に従事する前は、ワクチン開発と臨床試験参加に関する研究に取り組み、HIV/AIDS教育、農村部の健康、医師の権利擁護、臨床試験の最適化などに焦点を当てた数々の組織を立ち上げてきた。ハーバード大学で学士号を取得した後、イェール大学で医学博士号とMBAを取得。ブリガム・アンド・ウィメンズ病院とハーバード・メディカル・スクールでの内科研修医を経て、後にハーバード・メディカル・スクールで講師を務めた。妻のアリス・チェン博士と2人の子供とワシントンDCに暮らしている。 [訳者] 樋口武志〔Takeshi Higuchi〕 1985年福岡生まれ。訳書に『「スーパーマリオブラザーズ」の音楽革命』(DU BOOKS)、『THE HEART OF BUSINESS(ハート・オブ・ビジネス)』、『異文化理解力』(ともに英治出版)、『無敗の王者 評伝ロッキー・マルシアノ』(早川書房)、字幕翻訳に『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』など。 Kindle→https://amzn.to/3sR9V2l
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私たちはいつから「孤独」になったのか
¥4,620
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自分を理解してくれる人がいない、友人や伴侶が得られない、最愛の存在を喪って心にぽっかりと穴があいたような気持ちがする、老後の独り居が不安だ、「ホーム」と呼べる居場所がない――このような否定的な欠乏感を伴う感情体験を表現する語として「孤独」が用いられるようになったのは、近代以降のことである。それまで「独りでいること」は、必ずしもネガティブな意味を持たなかった。孤独とは、個人主義が台頭し、包摂性が低く共同性の薄れた社会が形成される、その亀裂のなかで顕在化した感情群なのである。 ゆえに孤独は、人間である以上受け入れなければならない本質的条件などではない。それは歴史的に形成されてきた概念であり、ジェンダーやエスニシティ、年齢、社会経済的地位、環境、宗教、科学などによっても異なる経験である。いっぽう、現代において孤独がさまざまな問題を引き起こしていることも事実であり、国や社会として解決しようとする動きが出てきている。その際まず必要となるのは、孤独を腑分けし、どのような孤独が望ましくなく、介入を必要とするのかを見極める手続きである。 2018年に世界で初めて孤独問題担当の大臣職を設置したイギリスの状況をもとに、孤独の来歴を多角的に照らし出す。漠然とした不安にも、孤独をめぐるさまざまな言説にもふりまわされずに、孤独に向き合うための手がかりとなる1冊。 目次 No (Wo)man Is an Island――人間は誰も(女も男も)孤島ではない 序論 「近代の疫病」としての孤独 孤独の来歴 身体化された孤独 第1章 「ワンリネス」から「ロンリネス」へ――近代的感情の誕生 孤独の創出 ソリチュードの重要性 ソリチュード、ジェンダー、階級 ソリチュードと健康 近代的な孤独の形成 歴史的な力の産物としての孤独 第2章 「血液の病気」?――シルヴィア・プラスの慢性的な孤独 子ども時代の孤独 「私もついにスミス大の学生になった」 孤独と自殺衝動 恋愛相手の必要性 心の病がもたらす孤立感 第3章 孤独と欠乏――『嵐が丘』と『トワイライト』にみるロマンチック・ラブ ロマン主義的理想としての「ソウルメイト」 小説における愛と魂――『嵐が丘』の場合 愛はすべてを征服する、狼人間や吸血鬼ヴァンパイアでさえも 第4章 寡婦/寡夫の生活と喪失――トマス・ターナーからウィンザーの寡婦まで 孤独とノスタルジア 喪失の独特な形態としての寡婦/寡夫の生活 トマス・ターナーの場合 トマス・ターナーの「ワンリネス」 ウィンザーの寡婦 喪失の孤独 第5章 インスタ憂うつ(グラム)?――ソーシャルメディアとオンラインコミュニティーの形成 ソーシャルメディアの台頭、およびその感情面への影響 ソーシャルメディアは地雷原か、それとも鏡か? ソーシャルメディアおよびコミュニティーの意義 親密さという神話 第6章 「カチカチと音を立てる時限爆弾」?――老後の孤独を見つめ直す イギリスの「時限爆弾」 ヴァルネラブルな高齢者と「満たされないニーズ」の問題 高齢化と新自由主義――加齢はいつから負債になったのか? 加齢を歴史的にとらえる 高齢者の孤独の複雑性 高齢者の未来 第7章 宿なし(ルーフレス)、根なし(ルートレス)――「ホーム」と呼べる場所がないということ 宿なしルーフレス――最近の歴史的問題としてのホームレス問題 ホームレスとはどんな人びとか? 「家ホーム」の重要性、そして家がないということ 難民と孤独 第8章 飢えを満たす――物質性(マテリアリティ)と孤独な身体 孤独と物質的世界 孤独と身体 孤独な身体 「飢え」を満たす 身体によって 身体を通して語る 第9章 孤独な雲と空っぽの器――孤独が贈り物(ギフト)であるとき 孤独なロマン主義者たち 孤独と近代プロジェクト 結論 新自由主義の時代における孤独の再定義 孤独の再定義 訳者あとがき 参考文献 原注 著者について フェイ・バウンド・アルバーティ (Fay Bound Alberti) 1971年生まれ。文化史家。ロンドン大学キングス・カレッジ近現代史教授。専門はジェンダー、感情史、医学史。歴史学博士(ヨーク大学)。イギリス初の感情史専門の研究所であるロンドン大学クイーン・メアリー感情史センターの創立メンバーの一人。マンチェスター大学、ランカスター大学、ヨーク大学等でも教鞭をとる。著書にMatters of the Heart: History, Medicine, and Emotion(2010)、This Mortal Coil: The Human Body in History and Culture(2016)がある。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 神崎朗子 (かんざき・あきこ) 翻訳家。上智大学文学部英文学科卒。おもな訳書にキャロライン・クリアド=ペレス『存在しない女たち』(河出書房新社)、オイズル・アーヴァ・オウラヴスドッティル『花の子ども』(早川書房)、マイケル・グレガー/ジーン・ストーン『食事のせいで、死なないために』〔病気別編〕〔食材別編〕(NHK出版)、アンジェラ・ダックワース『やり抜く力 GRIT』(ダイヤモンド社)、ケリー・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』(大和書房)などがある。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
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ダーウィンの呪い
¥1,320
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ダーウィンを祖とする進化学は、ゲノム科学の進歩と相まって、生物とその進化の理解に多大な貢献をした。一方で、ダーウィンが提唱した「進化論」は自然科学に革命を起こすにとどまらず、政治・経済・文化・社会・思想に多大な影響をもたらした。そして、悲劇的なことに、進化論を曲解した彼の後継者たちが「優生思想」という怪物を生み出した。〈一流の進化学者〉たちによって権威づけられた優生学は、欧米の科学者や文化人、政治家を魅了し、ついにはナチスの反ユダヤ思想とつながり「ホロコースト」という悲劇を生み出すことになる。 第一線の進化学者で、進化学の歴史に詳しい著者は、ダーウィンが独創した進化論は、期せずして3つの「呪い」を生み出したと分析する。「進歩せよ」を意味する〈進化せよ〉、「生き残りたければ、努力して闘いに勝て」を意味する〈生存闘争と適者生存〉、そして「この規範は人間社会も支配する自然の法則だから、不満を言ったり逆らったりしても無駄だ」を意味する、〈ダーウィンもそう言っている〉である。順に、「進化の呪い」「闘争の呪い」「ダーウィンの呪い」である。 本来、方向性がなく、中立的な進化が、なぜひたすら「進歩」が続くと信じられるようになったのか。ダーウィンとその理解者、そしてその志を継いだ後継者たちが、いかにして3つの呪いにかけられていったのか。稀代の書き手として注目される著者が、進化論が生み出した「迷宮」の謎に挑む。 目次 第一章 進化と進歩 第二章 美しい仮説と醜い事実 第三章 灰色人 第四章 強い者ではなく助け合う者 第五章 実験の進化学 第六章 われても末に 第七章 人類の輝かしい進歩 第八章 人間改良 第九章 やさしい科学 第十章 悪魔の目覚め 第十一章 自由と正義のパラドクス 第十二章 無限の姿 著者について 千葉 聡 東北大学東北アジア研究センター教授、東北大学大学院生命科学研究科教授(兼任)。1960年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。静岡大学助手、東北大学准教授などを経て現職。専門は進化生物学と生態学。著書『歌うカタツムリ──進化とらせんの物語』(岩波科学ライブラリー、2017)で第71回毎日出版文化賞・自然科学部門を受賞。ほかに、『進化のからくり──現代のダーウィンたちの物語』(講談社ブルーバックス、2020)、『生物多様性と生態学──遺伝子・種・生態系』(共著、朝倉書店、2012)、『招かれた天敵――生物多様性が生んだ夢と罠 』(みすず書房、2023)などの著作がある。 Kindle→https://amzn.to/3sR25G2
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色の物語 青
¥3,300
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青について深く知りたい人に。青の歴史をたどる旅 ◆巨匠たちが好んだ青の秘密 葛飾北斎の好んだ青の秘密。ゴッホが神の色とあがめたコバルトブルー。ピカソによる美しくも陰鬱な青。モネの青い睡蓮は、多くの作家に影響を与えました。 美術史において、青という色の影響力は計り知れません。本書では、青を用いた著名な美術作品のビジュアルを多数掲載、青色と美術作品の切っても切れない関係を、気鋭のフランス人美術史研究家が解説します。 ◆青の成り立ちと歴史を知る ラピスラズリのような鉱石、インディゴやパステルといった植物による青など、さまざまな青色の由来について紹介。 主要な青色色素のルーツを世界地図上で俯瞰できるほか、天然色素や合成色素からどのように絵の具として使える色になっていったのかまで、図解でわかりやすく紹介しています。 ◆構成(抜粋) アートの中の青/青の世界地図/青のバリエーション/アメンホテプ3世のスフィンクス/手紙を読む青衣の女(フェルメール)/神奈川沖浪裏(葛飾北斎)/星月夜(ゴッホ)/大水浴図(セザンヌ)/自画像(ピカソ)/青い睡蓮(モネ)/青い裸婦 III(マティス)/とても大きな水しぶき(ホックニー)/空の青(カンディンスキー)ほか ◆「色の物語」シリーズ その色はどこから来て、どこへ向かうのか。古今東西文明のなかで、さまざまな意図で使われてきた「色」の歴史とストーリー、影響力を、名だたるアート作品の美しいビジュアルでたどる。地図や図解、年表等のグラフィックも豊富に盛り込み、多彩な角度からの解説が特徴。本書はその第一弾。続編として「ピンク」「黒」「赤」「ゴールド」刊行予定。 【著者について】 ヘイリー・エドワーズ=デュジャルダン 美術史・モード史研究家。エコール・デュ・ルーヴル、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション卒業。キュレーター、フリーランスのライターとして、ヴィクトリア・アンド・アルヴァート美術館の調査事業や展覧会に協力するほか、個人コレクター向けのコンサルタントとしても活躍する。ギ・ラロッシュのメゾンのアーカイブ部門の設立を手がけた。パリでモード史、ファッション理論の教鞭をとる。 【翻訳者について】 丸山有美 Ami MARUYAMA フランス語翻訳者・編集者。フランスで日本語講師を経験後、日本で芸術家秘書、シナリオライターや日仏2か国語podcastの制作・出演などを経て、2008年から2016年までフランス語学習とフランス語圏文化に関する唯一の月刊誌「ふらんす」(白水社)の編集長。2016年よりフリーランス。ローカライズやブランディングまで含めた各種フランス語文書の翻訳、インタビュー、イベント企画、イラスト制作などを行なう。 Kindle→https://amzn.to/3QULyZB
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&Premium(アンド プレミアム) 特集:暮らしの真ん中に、心地よい台所。
¥930
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no.121 January 2024 features 022 PRACTICAL KITCHENS 暮らしの真ん中に、心地よい台所。 024 THOUGHTFUL KITCHEN 居心地も使い勝手もいい、料理上手の台所。 野村友里 青木さやか 雅姫 加藤剛大・加藤一美 平井かずみ 井上久美子 恩田ケイティー 大谷優依 mako つがねゆきこ どいちなつ 岡本ゆかこ 滝沢うめの 關川典英・關川加奈子 塩見奈々江 竹川尚美 原田陽介・原田麻理子 城田文子 083 55 Essential Kitchen Tools for 5 Culinary Experts 5人の料理家が選ぶ、愛用の台所道具55 ワタナベマキ 渡辺有子 長尾智子 サルボ恭子 渡辺康啓 regulars 007 &days よい一日を、このアイテムと 016 &style 「Happy Tint」 117 &selection THINGS for BETTER LIFE 〈エルメス〉ほか 126 &TRIED IT オモムロニ。さんが使ってわかった これ、ここがいいよね。 〈パナソニック/バーミキュラ〉 127 nanuk & premium 「物語のこと」 128 &Paris パリに住む人の住まいと暮らし 「スタイルの面白さを自由にミックス」ほか 134 &Taipei 片倉真理の台北漫遊指南 「東區2」ほか 140 &Kyoto 大和まこの京都さんぽ部 「清水五条」 146 &COOKING 渡辺有子の料理教室ノート 「ゴボウ」 148 &NEKO だって、ねこだもん。 「お手も寝相も愉快なモチャ」 149 &CAR LIFE 私とクルマ。 「朝倉洋美×アウディ Q2」 150 &Beauty キレイの理屈 〈石井クリニック/エルメス〉 152 &food Pレミアム通信 「特別なひと皿と あの人たちに会いに、国領へ」 156 &BOOKS 18 MILES OF BOOKS 果てしのない本の話 「ソウルを歩く」 157 &Lifelong Items これから20年、使いたい日用品。 「ティー道具のためのボックス」 158 &NAOKO 大草直子の好きな時間、好きなもの。 「〈ピモンテ〉のネックレス」 次号予告 Kindle→https://amzn.to/3sQ7ME8
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砂時計 第5号 特集:創作と表象
¥1,000
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【特集】創作と表象 ゲスト:安里琉太・石原ユキオ・逢坂みずき・関口竜平 【祝 北海道新聞短歌賞受賞】受賞作を読む ゲスト:千葉優作 【装画】かっぱ巻き太郎
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超人ナイチンゲール
¥2,200
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★★誰も知らなかったナイチンゲールに、あなたは出会うだろう。★★ 鬼才文人アナキストが、かつてないナイチンゲールを語り出した。 そのひとは聖女でもなく、合理主義者でもなく、 「近代的個人」の設定をやすやすと超える人だった。 「永遠の今」を生きる人だった。 救うものが救われて、救われたものが救ってゆく。 そんな新しい生の形式を、日常生活につくりだせ。 ケアの炎をまき散らせ。 看護は集団的な生の表現だ。 そう、看護は魂にふれる革命なのだ! ■ブレイディみかこさん推薦■ 《いっさいの「なぜ?」が消え、時は満ち、永遠のいまの中に黒衣のナースが立っていた。 黒は何にも染まらない。軍にも、教会にも、そして国家にも。 このナイチンゲールは、ごっついぞ!》 【目次】 第一章 ある日、とつぜん神はやってくる 第二章 憑依としての看護 第三章 つぎのキリストはおそらく女性だろう 第四章 ハンマーをもった天使 第五章 白衣じゃねえよ、黒衣だよ 第六章 運にまかせず、その身を賭けろ 著者について 栗原 康(くりはら・やすし) 1979年埼玉県生まれ。 早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程満期退学。 東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。 著書に『大杉栄伝 永遠のアナキズム』角川ソフィア文庫、『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』岩波現代文庫、『死してなお踊れ 一遍上人伝』河出文庫、『アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ』岩波新書、『サボる哲学 労働の未来から逃散せよ』NHK出版新書ほか。 趣味は長渕剛、錦糸町河内音頭。 好物はビール、最近は日本酒もちょっと好きです。
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フェミニスト経済学
¥4,070
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フェミニズムの視点から,すべての人のウェルビーイングの実現をめざす。 日本ではじめてのフェミニスト経済学のテキスト! 本書の構成と特徴 第Ⅰ部の「理論と方法」では,フェミニスト経済学の分析視角として,合理的経済人仮説,アンペイドワーク,世帯内の意思決定と資源配分を検討し,分析ツールとして,生活時間とジェンダー統計を提示する。第II部の「領域と可能性」では,労働市場,マクロ経済,ジェンダー予算,福祉国家,金融,資本・労働力移動,貿易自由化,開発,環境・災害という各分野におけるフェミニスト経済学の問題意識と分析視点を提示する。 各章の構成も可能なかぎり統一した。第1章をのぞくすべての章を3節構成とし,第1節では,各分野においてジェンダーによって発生している状況や問題がいかに異なるのかについて述べ,第2節で既存の経済学がどのようにその領域や問題を扱ってきたかを簡潔に押さえ,第3節でフェミニスト経済学による分析方法や政策提案を紹介した。各章にColumnをおき,本文の理解を助ける具体的な事例を盛り込んだ。また,巻末には,読書案内を掲載した。読書案内には執筆者全員で,読者が入手可能な日本語で読める良書や小説,エッセイ,映画,ドキュメンタリーを選んだ。こうした書籍などを通じて広くて深いフェ ミニズムと経済学の世界への関心を広げてほしい。 本書は,いまの経済社会とジェンダー秩序に居心地の悪さや疑問を感じている人や,経済学の発展に関心のあるすべての人に向けて書かれている。また,大学の授業やゼミで使用することを想定し章を構成したが,経済学を学んだことのない読者でもポイントをつかんでもらえるように心がけて執筆した。 もはや人間のウェルビーイングも地球環境も危機に瀕している。フェミニスト経済学は,人間と地球環境の両方にとって持続可能な社会を構築するための分析枠組みを提示するだけでなく,行動のための学問でもある。さあ,フェミニスト経済学の扉を開いてみよう。 目次 第Ⅰ部 理論と方法 第1章 フェミニスト経済学への招待 第2章 アンペイドワーク──人間のニーズとケア 第3章 世帯──世帯内意思決定と資源配分 第4章 生活時間──資源としての時間 第5章 ジェンダー統計──社会を把握するツール 第Ⅱ部 領域と可能性 第6章 労働市場──ペイドワークと格差 第7章 マクロ経済──再生産領域を加える 第8章 ジェンダー予算──ジェンダー主流化のためのツール 第9章 福祉国家──ジェンダー関係を形づくる 第10章 金融──金融危機のジェンダー分析 第11章 資本・労働力移動──グローバル経済の特質としての女性化 第12章 貿易自由化──競争優位の源泉としてのジェンダー格差 第13章 開発──連帯とエンパワーメント 第14章 環境・災害──レジリエンスの構築
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エトセトラ VOL.10 特集:男性学
¥1,540
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特集:男性学 性差別はびこるこの社会では、実は「男」のことすら誰も考えていない。 語られてこなかった男性の多様さはどこにある? これまでフェミニズムが家父長制に相対するとき、特権を持つ側として「男性」が照射されてきた。しかし、男性がフェミニズムに応答するだけでは、男性自身の課題を掘り下げられないのでは……? フェミマガジン10号目は、『トランス男性によるトランスジェンダー男性学』の周司あきらを特集編集に迎え、「特権」「加害性」「生きづらさ」で終わらない、その一歩先にある「男性性」を見つける特集号。 論考、エッセイ、読者投稿などで構成。新たなメンズリブを目指す座談会も! 目次 特集:男性学 特集のはじめに 【年表】 男性史・女性史(作成:周司あきら) 【エッセイ・論考】 マルリナ「ラップに耳をすませば」 麦倉哲「『男らしさの崩壊』の先にみる絶望とかすかな希望」 五月あかり「誰も好きになってはならない」 小埜功貴「自分を終わらせて、自分へと生まれ戻ろう――場としてのメンズリブ、心としてのメンズリブ」 瀬戸マサキ「『俺』を取り戻す旅」 仲芦達矢「ノイジー・マスキュリニティ」 Y・N「傷と言葉――仲芦達矢『ノイジー・マスキュリニティ』のための補足」 澁谷知美「男にとって『恥』とは何か――仮性包茎の現代史から」 森山至貴「異物のように、宝物のように」 水上文「そして誰が排除されるのか?――百合ジャンルにおけるミサンドリーの問題」 福永玄弥「男たちの帝国と東アジア」 遠山日出也「男性が特権/差別を克服するために――被抑圧者の解放と自らの解放との結びつきを捉える」 【小説】 勝又栄政「父(ちち)と、娘/息子(こ)」 【漫画】 中村一般「山田さんの生活」 【座談会】 水野阿修羅✕小埜功貴✕周司あきら「男である自分を好きになる――90年代日本のメンズリブ運動」 【読者アンケート】 男として生きること、男扱いされることの喜びを考えてみる 特集のおわりに ***************** 【寄稿】 もちづきゆきえ「『HEAR. ME. OUT.』制作日誌」 伊藤春奈(花束書房)「独立運動から続く道をたどって~おしゃべりソウル旅行記~」 【漫画】 とれたてクラブ「目ざせ!! DIVAに殺されない元カレ」 【連載】 「編集長フェミ日記」2023年8月~9月 「祖母の話」/#2 川﨑那恵「ムラの女たちのあいだで」 「アート・アクティヴィズム」北原恵/〈98〉「関東大震災100年を記憶する現代アート:2023夏、韓国」 「LAST TIME WE MET 彼女たちが見ていた風景」宇壽山貴久子 私のフェミアイテム:下山田志帆 NOW THIS ACTIVIST :山田亜紀子 etc. bookshop通信 著者プロフィール 周司あきら (シュウジ アキラ) (特集編集) 主夫、作家。著書に『トランス男性による トランスジェンダー男性学』(大月書店)、共著に『埋没した世界 トランスジェンダーふたりの往復書簡』(明石書店)『トランスジェンダー入門』(集英社新書)がある。「すばる」(2023年8月号)に、随想「家父長の城」を寄稿。
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間違っていない世界のために
¥1,760
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ソウル・クィア・パレードに参加するため韓国を訪れたライターは、loneliness booksの潟見さんからパレードと同日に開催されるというイベント「NO PRIDE」の存在を知る。ソウルのクィアたちに話を聞くと、こんな答えが返ってきた。「おそらくだけど、クィアパレードに足りないものを伝える意図があるんじゃないか」。 反LGBTQ+団体の妨害を受けながら歩くパレードの熱気、そこからも排除されているものたちの声、ソウルのクィア・コミュニティ、東京との重なり/違い……ライターの小沼理による、3日間のソウル滞在記。 「東京/ソウルから クィアの置かれた状況に関する友人たちへのアンケート」も収録。日本語と韓国語、2言語での掲載。 著者 小沼理 訳者 キム・ウヨン 装丁 潟見陽 発行 loneliness books B6/128P
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ユリイカ2023年12月号 特集=長谷川白紙
¥1,980
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加速し攪乱するシンガーソングライター 多種多様な音楽のエッセンス、柔らかな肉声、不可思議なことばの連なり、それらをデスクトップ上で混ぜ合わせた唯一無二の「歌」を、衝撃と混乱とともに轟かせてきた長谷川白紙。LAを拠点とするBrainfeederとの契約が発表され、ますます世界中で注目度を高める革新的なサウンドに身を委ねれば、これからの音楽が聴こえてくる。「わたし自身の身体による音楽の攪乱」――長谷川白紙自身によるマニフェストを受け取り、CDデビュー5周年を迎えた先にひろがるカオスな風景を描き出す。 line2.gif 特集*長谷川白紙──混沌の音世界へ ❖対談 からだの言葉、言葉のからだ / 長谷川白紙×水沢なお ❖詩 新しい恋 / 最果タヒ ❖長谷川白紙と邂逅する 好き長谷川白紙 / 諭吉佳作/men いつくしい日々の思い出 / 姫乃たま 長谷川白紙とスペクトル / 今井慎太郎 ❖わたしたち、一緒にいたっぽい 複雑な音楽性が自由なノリを生む――長谷川白紙のライブにおける「権威性に対する撹乱」、付かず離れずの軽やかな連帯感 / 和田信一郎(s.h.i) ハクシトワタクシ / タカノシンヤ 始まりの季節 / スッパマイクロパンチョップ ❖インタビュー 変容し続ける音楽と肖像 / 長谷川白紙 聞き手=和田信一郎(s.h.i) ❖音から想像を広げて 音の光 / 海野林太郎 さまよう映像制作 / 松永昂史 草木萌え尽きぬ / イシヅカユウ ❖オマージュイメージギャラリー 『草木萌動』(二〇一八) / 相磯桃花 『エアにに』(二〇一九)「ユニ」(二〇二一) / 浦川大志 / from_photobooth 『夢の骨が襲いかかる!』(二〇二〇) / KOURYOU 『音がする』(二〇二〇)『巣食いのて』(二〇二一) / しばしん+竹久直樹+米澤柊 『アイフォーン・シックス・プラス』(二〇一七) / 山形一生 ❖長谷川白紙を媒介するもの コンテンポラリー・アートの場としての長谷川白紙と過剰な装飾――アヴァンギャルドでキッチュ / きりとりめでる 長谷川白紙と多受肉するペルソナたち――声と身体をめぐる新たな表現ジャンル「多受肉する歌い手」の誕生――ARuFa、月ノ美兎、ヨルシカ、ずっと真夜中でいいのに。、Ado、いよわ――について / 難波優輝 ❖アンケート 長谷川白紙さんへ / 水野良樹・崎山蒼志・∈Y∋・谷中敦・長久允・パソコン音楽クラブ ❖居心地の良いカオス 『エアにに』 言葉のオブジェクティビティ――テクスチャの豹と歌詞空間の庭を作る / 青島もうじき 無性のエコー / 原島大輔 破断と攪乱――長谷川白紙の詞におけるクィアネス / 青本柚紀 ❖音楽と音楽を繋ぐ 混乱し続ける音楽と僕たち / The Anticipation illicit tsuboi 聞き手=編集部 新たな混乱――長谷川白紙とBrainfeederについて / 坂本哲哉 ジャズとして語られる『草木萌動』 / 細田成嗣 混沌と速度、落差と歌――長谷川白紙といくつかのボカロ曲について / Flat 音がする / yuigot 長谷川白紙さんについて / 今泉力哉 ❖長谷川白紙の聴き方 混沌、断絶、グルーヴ――長谷川白紙のリズムの実践を観察する / imdkm 『アイフォーン・シックス・プラス』についてのメモ / 灰街令 からだのきらいなわたしのからだ――『夢の骨が襲いかかる!』から聴き取る、「編まれ直し」としてのクィア・ファンク / 伏見瞬 ❖資料 長谷川白紙クロニクル / 天野龍太郎 ❖忘れられぬ人々*26 故旧哀傷・副島有年 / 中村稔 ❖物語を食べる*34 異端の鳥たちが空を舞う / 赤坂憲雄 ❖詩 Eyeless in Gaza / 四方田犬彦 ❖今月の作品 朱泪みね・山内優花・のもとしゅうへい・木下多尾・栫伸太郎・赤澤玉奈 / 選=大崎清夏 ❖われ発見せり 人形愛者の秘かな愉しみ / 谷口奈々恵 表紙・目次・扉……北岡誠吾 扉イラスト……相磯桃香